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2005年11月29日 (火)

重力と重み

 夜空に浮かぶ星の世界。宇宙へ出たところで、何が変わるってほどのものじゃないかもしれない。しかし、そこへ至る道は訓練を要するほど厳しく、お気軽な観光ツアーとは、ひと味違うってものだろう。
 朝日夕刊連載コラム『ニッポン人脈記』の新しい章は、『宇宙にあこがれて』……やっぱり行ってみたいよなあ。昨日は向井千秋さんと万起男さんの物語。

宇宙から戻った夜、ヒューストンの自宅で、千秋はおかしなことばかりしていた。にぎりずしをつまみ上げては落とし、じっと見る。

 万起男さんは、千秋さんが<重力>を再発見しているところだと気がついたのだそうだ。

 立花隆著『宇宙からの帰還』によれば、大気圏を脱した宇宙飛行士はそれぞれに世界観が変わってしまったらしい。誰もみたことのない風景の与える衝撃もあろうが、引力脱出速度は強烈なGで、人体の耐久限界を試す。初期飛行士が「猿と同じ実験材料」と嘲笑れようと、誰でも乗り込めるものではない。
 その<強い圧力>の影響はあるだろうと想像するのはできたが、無重力空間を経験してから<重力>を確認するなんて……うううう、まるでSF小説だ。
 うらやましい。
05112802 80年代少女マンガの旗手の一人、
 吉田秋生著『河よりも長くゆるやかに』
 文庫版P226にこんなセリフがある。

「おまえ、言ったろ。
 人間の重みって気持ちいいって」

 若い二人が、黙って重なり合うだけ。そんな<重力関係>もある。
 女性の視点は、やっぱりどこか違う。
 これもセンス・オブ・ワンダーの一つなんだろうな。

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