« 4月の途中経過 | トップページ | うさぎ小屋に、鶏舎。ひと、ヒト、人。 »

2013年4月19日 (金)

ボディメイク5:脂肪と肉

えいりあん・めもらんだむ

 諸悪の根源のようにいわれている内臓脂肪であるが、減らせばいいというものではない。本当に肝臓などの内臓の内部に脂肪が蓄積するのはまずいが、腸間膜に脂肪がついているのは当たり前だし、内臓の外側にある脂肪には腹腔内で臓器を支える役目もあるのだから。

 2009年に腹腔内脂肪断面積7cm2まで落としたら、内臓下垂の心配を医師に指摘されてしまった。(→過去記事:ファット・バーン・ブルース)それで私は、内臓をしっかり保持できるだけの筋肉をつけるまでの間、脂肪を増やすことにした。

 私は腹筋が弱い。
 特に、腹直筋が軟弱なので、再度脂肪を減らす時は遠いかと思っていた。

 しかし、よくよく調べてみたら、腹筋が弱くてもお腹が前に出るだけで、内臓が下がるわけではないのよね。

 内臓を下支えするのは、腸腰筋や骨盤底筋群。

 そこらへんを重点的に鍛えるために私が取り入れたのは、こんなエクササイズ。


 ブルガリアン・スクワット。

 この種目の主働筋は、上体を直立させた場合に大腿四頭筋、前傾させた場合には臀筋群になるのだけれど、スタビライザー(固定筋)として腸腰筋や骨盤底筋群をものすごく使うと実感するエクササイズなのである。

 バーベル・スクワットなどで大腿四頭筋やハムストリングス、臀筋群はそれなりに強くなっていたはずなのに、ブルガリアン・スクワットをはじめてやった時には、自重だけでもろくに出来なかったもの。バランスが取れなくて。

 リンク先の動画みたいにスミスマシンでの修行を4ヶ月ほどやってから、ダンベルに移行したら出来るようになっていた。去年の今ごろの話。

 この種目は苦しい。(動画を撮影したのは半年くらい経ってからなので、まあ淡々とやっているけれど、上体直立/前傾コンパウンド・セットを初めてやった時には、吐きそうになったものだ。)

 ともかく昨年春にダンベルを持ってこの種目をやり始め、少しずつ重量を増やして行ったわけ。


 で、思った。

 うちの娘ら20代だけど、いきなりこれやれって言ったら、きっと出来ないよ?

 私と同年代の筋トレしていない女性でこれ出来る人、数%もいないんじゃないか?

 それで太っていなかったら内臓下垂を起こすというのなら、世の中内臓下垂患者だらけのはずだよ。


 というわけで、昨夏、減量してもいいかな、という気分になったのだった。

 2012年7月末の腹部脂肪画像。
内臓脂肪面積10 cm2、皮下脂肪面積70 cm2

201207

 同時期のInBody測定結果。(食後、着衣込み)

201207inbody


 減量したのは、乗っかった脂肪を取り除いて筋肉を見えるようにしたかったからで、ここをスタート地点として増量に入る計画だった。

 ・・・が、姑が事故に遭い、私の目論見は吹っ飛んだ。

 トレーニングはろくに出来ない。

 病院に呼ばれて待機している時、他の家族はコンビニでパンやカップ麺を買って食べていたけれど、血糖値を上げたくない私には食べられない。(病院併設の小さな店舗だから、ブランパンなんて置いていなかったのよ・・・)

 高度救命救急センターの面会時間は、家族であっても午後1時〜3時の2時間。午前中に実母を病院に連れて行った後とか、午前中仕事してから半日休暇を取って行こうとすると、昼食は抜き。道中でプロテイン・バーを齧るのが精一杯。

 運動不足。
 カロリー不足。
 加えて、睡眠不足。

 結果は、これ。
 9月にフィットネスクラブに行けた機会に測定してみた体組成。(食後、着衣込み)

201209inbody


 増量どころか減量終了時点からさらに体重約2 kg減。

 その内訳は、脂肪量がプラス0.4 kgで、骨格筋量がマイナス2.5 kg!


 これが、カタボるということ。

 当然だよね。カタボリック条件揃い踏みの生活だったんだから。

 7月末の時点で、私的には、脂肪はぎりぎりまで絞ってあったから、身体としては脂肪をつけたがっていた。そのタイミングでトレーニングしなくなってしまったので、体重は減っても筋肉ばかりが落ちて、脂肪は増えた。

 体脂肪が豊かな人が痩せるのならいざ知らず、元々太っていない人が運動せずに糖質制限だけで体重を減らすと、こういうことが起こるんだよ。みんな判ってやっているのかね?



 それほど太っているわけではないのに、筋肉が少なくて脂肪が多い状態をサルコペニア肥満と呼ぶ。

Mriimage_4


 これは新聞記事に載っていた太腿部の断面MRI画像。上のリンク先の本家の画像が小さいので、見やすいように撮ってみた。

 太さは同じなのに、右の画像の人は脂肪ばかり。

 太腿だけでなく全身同じような感じなら、見た目の太さは同じくらいなのに、体重はきっと右側の人のほうが軽い。

 だって、脂肪のほうが筋肉より比重が小さいのだから。


 つまり、同じ太さなら、あるいは同じ細さなら、体重は重いほうがイイのである。

 ここYCATさんのブログ、その名も「2型糖尿病患者の美食日記」の読者諸兄姉のどれだけが、このパラダイムシフトについて来れるかな?




 太らずに、重くなりたい。

 実際には不可能だから、
増量期に少し太ってぐっと重くなり、
減量期に少し軽くしてぎゅっと絞る
ことを繰り返すわけだけれど、そのためには運動が不可欠。

 1年前の計画よりずいぶん遅れたけれど、冬から増量に入って、9月の体重が底だった時に比べると今はプラス4.5 kg。果たして脂肪の下に筋肉はついてくれているだろうか。見るのは、夏になる。

 運動しないと、昨夏8〜9月の私のように、体重が減っても体組成は悪化するだけになる。

 糖質量をどうしようが、摂取総エネルギーをどうしようが、食餌だけで体組成は制御できない。


 運動せずに糖質制限だけしている人たちは、血糖値さえ上がらなければいいのだろうか?


 私は、もっとトータルに自分の身体を作っていきたい。







copyright (c) 2013- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

|

« 4月の途中経過 | トップページ | うさぎ小屋に、鶏舎。ひと、ヒト、人。 »

コメント

追記、というか自己レス

一応、去年の夏に書こうと思ったテーマはこれでおしまい。終わってよかった。1年経っちゃうかと思ったよ。

 YCATさんが数ヶ月おきにしか更新してくれなくなってからも、毎月、月初と15日過ぎには期待してこのサイトを開いてしまうのは、古参ファン心理かしらね。それとも、何もネタがなくても中間報告と結果報告で月に2本の記事は書けるとおっしゃっていたことを覚えているせいか・・・

 書いても空しい気分は、よくわかる。

 糖質が血糖値に影響することは広く知られるようになったし。
 低糖質な食材やらローカーボ・クッキングのブログは、本当に増えたし。

 どう食べるかを気にする人が増えたほどには、どう動くかを考える人は多くないのが、不思議だ。

 私は他人の書かないことを書きたかったから、こういうシリーズを書いたわけだけれど、もう自分の覚書として非公開の場に置いておくことにしてもいいかな、と思う。

 運動習慣のある人は何も言われなくとも運動するし。
 運動したくない人はどんな話をどう見聞きしたところでしないのだから、公開する意味があるとは思えない。

投稿: えいりあん | 2013年4月20日 (土) 11:17

YCATさんの中間報告と結果報告がなくなったのは心配です。まあすでに10年にわたるデータを残しているのはすごいことですけれど。

私はえいりあんさんの記事のファンなので少しずつでも続けてほしいです。

私は運動熱心のタイプではありませんが、読んでいるだけでいろいろ参考になります。私の習慣は週2のダンスだけですが、バーを離れてのグランプリエがぐらぐらして大変なので、このブルガリアン・スクワットを応用したものをうちで毎日やることにしました。グランプリエと同じことを片足ずつやることになるので「効く」実感がします。

何というか、えいりあんさんのような人がいるということだけで励みになっているんです。

YCATさんもえいりあんさんもこれはというテーマがある時だけでもいいですから書き続けてくださればうれしいです。

投稿: まや | 2013年4月21日 (日) 18:14

動画のえいりあんさんのふくらはぎの筋肉にほれぼれしています。

私が運動を始めてもうすぐ一年、毎日の習慣になったのはえいりあんさんの記事のおかげです。
自分自身の筋肉は中々増えませんけど、人の筋肉が気になってしょうがない立派な筋肉フェチになりました。

ブログを読んでこんなに自分自身を制御できる方もいるのだと感心して、私もぼちぼちでもがんばろう!と刺激を受けています。
情報をいただくばかりで申し訳ない気持ちでい
ますが、何か月に一度でも素敵な筋肉をアップしていただくと嬉しいです。

投稿: クレイン | 2013年4月22日 (月) 21:49

まやさん

 過分なお言葉ありがとうございます。

 今ちょっと身辺がばたばたしていて落ち着いて文章を書ける状態ではありませんので、後日あらためてお返事いたします。<(_ _)>

投稿: えいりあん | 2013年4月23日 (火) 20:36

わわっ、クレインさんからも・・・

 ありがとうございます。
 お久しぶりです。お元気そうですね。

 以下、同文です。<(_ _)>

投稿: えいりあん | 2013年4月23日 (火) 20:40

まやさん

>私はえいりあんさんの記事のファンなので少しずつでも続けてほしいです。

 ありがとうございます。
 まやさんやknackeさんはじめオフでお会いした方々とは、突っ込んだ話がしたければいつでもメールできるのですから、何も全世界大公開の形をとらなくてもいいんじゃないかという気がしたのです。


 自分が耐糖能異常であることに気づいた人は、まずSMBGするようになりますよね。たぶんカステーラさんのブログを参考にして。

 そして、自分の血糖変動のパターンがある程度見えて来たはいいけれど、そこで悩んでしまった方々が、私の記事にいらっしゃるのだと思うのです。
 今日も左のウイジェットに出ていますが、私の過去記事で良く読まれているのは、真昼の血糖と震えて眠れです。
 つまり、日内変動や季節変動の情報を知りたい方が多いということでしょう。

 でも、私は、(もちろん、まやさん他の先輩の皆様方も)もうそこを通り過ぎてしまったわけです。

 血糖値を下げるだけなら、まあ、歩くだけでもいい。
 けれど、身体のことをトータルに考えたら、血糖値なんてごく一部分に過ぎなくて、食餌と運動を両方取り入れて生活を組み上げて行かなきゃと思う。

 私はそう思って、そういう記事をアップするようになったのですが、運動したくない人はそんなもの読みたくないということもよく知っていますので・・・公開する意味あるのかなあ、と。


>このブルガリアン・スクワットを応用したものをうちで毎日やることにしました。

 私の動画では、1回毎に膝関節がロックするくらいまで立ち上がってしまっていますが、これは良くありません。上がった時にも膝がほんの少し曲がっているようにするほうが、関節に安全です。そのほうが、筋肉にはきついのですが。
 この動画を見てくれた筋トレ仲間に指摘され、以来、私自身ノンロックでやっています。

投稿: えいりあん | 2013年4月29日 (月) 09:49

クレインさん

>私が運動を始めてもうすぐ一年、毎日の習慣になったのはえいりあんさんの記事のおかげです。

 半年を越えて運動を継続していらっしゃるのですね。

 ふっふっふ
もう足抜けできませんぜ。ψ(*`ー´)ψ ゥヶヶ


 去年の今頃の耐糖能異常発覚前のご自分の身体と、現在の身体、どちらがお好きですか?

投稿: えいりあん | 2013年4月29日 (月) 09:54

えいりあん様、レスをありがとうございます。

まずは質問の答えから。
まだまだ貧弱な体ですが、今と一年前とは比べ物にならずに今の方が好きです
確かにもう足抜けできませんわ ふふっ

先月の検診で、主治医にBMIが低すぎる、極端な節制をしているのではないかと叱られ筋肉量などを一度調べた方がいいでしょうとInBODY計測となりました。
体重は6年前の体組成計のデータと比べて6kg減っていましたが、筋肉は1.5kg増量していました。
下肢と胴体の部位別筋肉発達率は「高」でした。6年前の総合判定は「運動不足型」でしたからすごい進歩だと思います。

一生運動できる体でいられるように故障しないことを第一に試行錯誤しながら続けていくつもりです。
料理が好きで食いしん坊の私としては食事も人生の楽しみにかかせないのでこちらも色々研究中。

投稿: クレイン | 2013年4月30日 (火) 22:14

クレインさん

>今と一年前とは比べ物にならずに今の方が好きです

 でしょでしょ〜? o(*^▽^*)o

 筋トレしていると、自分の身体の声が聞こえるようになる。自分の身体と会話できるようになる。というか、それがトレーニングするということ。・・・と、先輩トレーニーさんたちが言っていたことが、わかるようになりますよね。

 その結果として、自分の身体を好きになれる。

 これ、運動なしで食事だけでなんとかしよう路線だと、絶対に得られない感覚だと思うのです。

 年を取るにつれ、白髪は増えるし、老眼は進むし、自分でどうにもできない老化現象は多いけれど、でも、筋肉は応えてくれる。
 ヘタレの膵臓や、黙って勝手なことする肝臓や、何考えているんだか判らない甲状腺と違って、筋肉は応えてくれる。

 50代だと変化も回復もめっちゃ遅いけれど、それでもクレインさんの筋肉は、1年で6年分の老化を逆転しておつりがたっぷり来るくらいの答えを返してくれたのですよね。

 私はもう丸5年トレーニングをやっていますが、30そこそこの女性が始めると(正しいやり方であれば)半年くらいで追い抜かれます。
 だから、糖尿病ブログで、30代や40代の人が運動しないのを見かけると、食事にかける時間と情熱の3分の1でも運動に振り向ければ・・・ともったいなく思ってしまって、50代オバでもこのくらいはできるのだからと動画なんか載せちゃったのでした。

投稿: えいりあん | 2013年5月 1日 (水) 11:11

>これ、運動なしで食事だけでなんとかしよう路線だと、絶対に得られない感覚だと思うのです。

耐糖能異常に気がついたのと同時期に目の病を発症し、パソコンはできないし本も読めないという時に、運動が心の支えでした。

社会人になってからは継続的に運動をしたことがなかったので、こんなきっかけでもなければ一生運動とは無縁だったと思いますがはまると運動って楽しいものですね。

自分の体の筋肉をほんの少しでも自分の好みに近づけられるなんて考えてもいませんでしたけど、できるんですね~。
発覚した頃はイヤでたまらなかった自分の体でしたけど、確かにイヤ度が減って連帯感が増したかも。自分の体に連帯感って変だけど。。

> 1年で6年分の老化を逆転しておつりがたっぷり来るくらいの答えを返してくれたのですよね。

あ、そう考えると私の筋肉ってたいしたものですね(^0^)v

>50代オバでもこのくらいはできるのだからと動画なんか載せちゃったのでした。

えいりあんさんはトレーニング歴が丸5年なんですね。
無謀にもあの動画をちょっとまねしてみましたら、腰にきました。地道が大事ですね。

そうそう、私が運動運動と吠えるので、娘はジムに通うようになり、80歳の母も体操教室に入会しました。

投稿: クレイン | 2013年5月 4日 (土) 22:26

クレインさん

 ブルガリアン・スクワットはスタビライザーとしてかなり腰(脊柱起立筋群)も使う感じがしますね。腰に不安があるようなら、動画の前半でやっているような、上体を真っすぐに立てたフォームだけのほうがよいかもしれません。
 ていうか、こんなきつい種目やらずとも、ランジで腸腰筋鍛えられますから(o^-^o)

投稿: えいりあん | 2013年5月11日 (土) 19:50

ふふ、あんな大変な種目はできるはずもなく、動画を見ながら同じポーズをしてみようと試みただけ、もちろん手ぶら(負荷なしっていうのかしらん)^^;

右足がこうで左足はこうで背筋があぁてみで・・・・・・?????あれれ?なんか違う

投稿: クレイン | 2013年5月14日 (火) 21:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/95944/57162424

この記事へのトラックバック一覧です: ボディメイク5:脂肪と肉:

« 4月の途中経過 | トップページ | うさぎ小屋に、鶏舎。ひと、ヒト、人。 »