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2012年2月 5日 (日)

クライシス2:基礎が肝腎

えいりあん・めもらんだむ

 夫が、自転車で通勤中に、事故。

 自分で話ができる状態ということと搬送先病院だけ聞いて、タクシーで駆けつける。詳しい状況は、病院で検査しないとわからないのだから、救急隊員に聞いてもあまり意味ないし。

 保険証と印鑑2本、ボールペン。
 コップと箸とスプーン、タオルとティッシュ、歯ブラシ、スリッパ、パジャマ、下着に靴下。
 自分の食べ物(プロテイン・バー)と飲み物(ペットボトルにプロテインを溶かして持って行く)。
 タクシー待ちの間に、入院グッズを揃える。あっという間。私、入院患者家族経験値は充分に高いので。
 って、この手のスキルはこれ以上要らないんですけど~~~。(ToT)

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 

 病院に着いたら、CT検査中だった。待つことしばし、ストレッチャーに乗って出てくる。

 ・・・頭の周りが白いもので囲まれている・・・げ、首固定? まさか頚椎??

 いやー、びびったね。
 ちょっと出血が酷かったので頭の下に敷かれていた不織布がふわっと膨らんで、固定カラーのように見えただけだった。手も足も動く。その出血も耳の裂傷からのもので、頭に傷はない。ヘルメットさま、ありがとう。

 話は・・・できるんだけど、なんか言うことが混乱している。
 
 え、事故時の記憶が無いの?
 近づいてくる救急車のサイレンの音で気がついたって・・・、それまで気を失っていたの?

 「意識消失していたんなら、そう言ってくださいよー!」
とERのお医者さんが救急隊に怒っていた・・・。(u_u;;;

 鎖骨骨折やら全身打撲やら脳震盪やら、裂傷に擦過傷・・・

 母が入院していたのが、いわゆるまあブラックな病院だったとすると、夫が入ったのはとてもホワイトなところ。
 ERも病棟も、ナースさんたちがとても親切で対応も早い。

 患者が自分でナースコール押せて喋れて、逆らわなしい点滴も引っ張らないんだもの、家族はとても楽♪
 そりゃあ病院のスタッフだって優しくできるわよねえ。

 もうジムなんてとても行けない。
 病院まで3.9 km。交通機関なし。歩くか自転車。
 距離はたいしたことないのだけれど、家を出て、□□坂1丁目と2丁目を縦断し、▽△山交差点を渡り、■谷公園の脇を通り抜けて○丘1丁目から4丁目まで踏破し・・・というアップダウンの多い行程。1日2往復。
 有酸素運動ばかりこんなにやったら、カタボっちゃうじゃないの・・・(;_;)
 犬の散歩だって朝晩2回あるのに。

 幸い3日で退院できたので通院サイクリングは終わったけれど、夫は家事不能状態。
 犬の散歩も布団の上げ下ろしも雨戸の開け閉ても洗濯物の取り入れも、なーんにもできない。私はむしろ労働強化。

 ところで、整形外科って本当に医師不足なのね。
 ホワイトな病院がとても良かったので、退院後も治療の継続を希望したのだけれど、整形外科医が少ないからそこは原則手術だけで通院治療は地域のお医者さんに行ってくれですって。

 冬休みに入り、子どもらが帰省してきてくれた。
 わんこ、狂喜乱舞。婆ちゃん、狂喜のみ、乱舞は不可能。

 私、もういいよね。
 もう非常体制を解いても、いいよね。

 1ヶ月余りの患者家族生活で、自律神経が狂った。体温調節がうまく行かないし、浮動性めまいも出てきている。TSH(甲状腺刺激ホルモン)もまた上がってしまって、やたら寒いし、歩行スピードが落ちてきた。

 やばい、きわめてやばい。

 とにかく、ジムへ行こう。
「疲れてるし、調子悪いし、レベル落ちてるから、追い込めません。
コンディショニング目的の緩めのメニューを考えておいて」
と言って予約して、1時間のパーソナルセッション。6300円也。
 これが危ない橋を渡りきった自分へのプレゼントだなんて、かなりマゾヒスティック?
 おまかせメニューだからって私の嫌いな腹斜筋から始めるって、わざとですかぁ?(;o;)

「スクワット、MAX何キロ?」
「55 kgで10回3セットだったけれど・・・、今は無理だと思う。
この1ヶ月たまに来ていた時は、45 kgで10回10セットとかやってました」
「ふーむ、じゃ50 kgで」

 ・・・え、重い。
 10回ずつで、3セット目の後半5回ぐらぐら。

 嘘でしょ? 嘘だと言って。脚が落ちているなんて。

 ベンチプレス・・・は以前と殆ど同じ。大胸筋は減っていないらしい。

 ショルダープレス・・・は、
「ダンベル3 kgだっけ、4 kg?」
「あ、今6 kg使ってます。5 kgから上げたばかりだから、セット毎にrep数落ちますけど」
「80度から120度の範囲で、絶対に止めずに、スローで。スティッキングポイントは超スローで通過して」
 うげ、そんなにストリクトにやれと?
 15回-12回-10回。
「へー、6 kgで出来ちゃうね。すげー」
そういえば、これをパーソナルセッションでやったのは8月以来だものね。あの時はたしか4 kgだった。肩のバーン感は半端ないけれど、三角筋が維持できていたことを喜ぼう。

 上半身の筋肉は維持できていたのに、いちばん重要な下肢の筋肉が減ったの?

 1部位1種目のゆるトレだったけれど、その晩はお風呂で溺れそうになるくらいの睡魔。
副交感神経 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! って感じ。

 一晩泥のように眠ったら翌朝にはすっきり回復・・・
・・・・・・だったら、どんなにいいだろう。
 中途覚醒、早朝覚醒。一度狂った神経は簡単には戻らない。そんなに若くもない。(u_u;;;
 2月に至っても、元通りにはなっていないよ。体調も、トレーニングレベルも。

 フィットネスクラブにも復帰したので、InBody測定して一連の騒動の前のデータと比較してみる。

ビフォー怒涛の日々↓
Inbodyt_bfr

Inbody_bfr
   

   アフター怒涛の日々↓
Inbodyt_aft

Inbody_aft

 ・・・う。
 やはり脚だけ減っている。上肢と体幹は、まあ誤差範囲内で変わっていないのに。
 数字はそれほど当てになるものではないけれど、他の部位に比べて下肢の筋肉が減ったことは明らか。
 脂肪も減って、トータル1 kg減。

 ・・・何より、実感に合っている。

 合うけれど、筋肉の減量分のほうが脂肪減量分より多いなんて・・・。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
 まるっきり運動せずに食事制限だけで痩せる場合の減量パターンだわ。
 少しとはいえ、トレーニング入れていたのに。

 戻さなきゃ。筋肉も脂肪も。

 ローカーボ食でも、体重は増やせる。維持カロリーより多く摂取すればいいだけ。
 あ、ここで言うカロリーは、栄養学的カロリーのことね。

 身体に取り込まれた栄養素の辿る道は、大きく分けてふたつ。

 その1:エネルギーとして消費される。
 身体を動かす分だけでなく、体温維持とか、心臓を動かすとかも含めて。
 タンパク質も脂質も糖質も(=血液中のアミノ酸も遊離脂肪酸もグルコースも)、エネルギーとして使われる。優先順位やら使用されるための条件やら、細かいことはいろいろあるけれど、今は大雑把な話をするから無視ね。

 その2:代謝回転に組み込まれる。
 身体の組織は日々入れ替わっているのだから、毎日作られる新しい細胞の材料が必要。入力と出力が同系統のものであるのが効率的なので、タンパク質は筋肉に、脂質は脂質(細胞膜とか)に、グルコースはグリコーゲンになっていくのが原則的。でも、摂取栄養素の割合に凹凸があっても、必須アミノ酸と必須脂肪酸さえ摂れていれば、あとは身体が勝手に生合成して帳尻を合わせてくれるからOK。反応効率の違いやら代謝ロスやら考えたら帳尻を合わせるのは難しい場合もあるけれど、これまた細かいことはこの際無視ね。

 その1とその2に使われる分ぴったりのエネルギーを摂取していれば、体重は変化しない。これがその人の維持カロリー。
 摂取カロリー<維持カロリーなら、体重は減る。その2の代謝回転で、死んでいった組織量に比べて新しく作られた組織量が少ないから。

 では、摂取カロリーが過剰なら?

 その3:貯蔵される。

 私の場合、カーボで高カロリーにするのは膵β細胞が耐えられないし、脂質で高カロリーにするのは胃が耐えられないから、タンパク質過剰にするケースだけ書いておくわね。(脂が好きな人は、自分で考えてよね。)

 上記その1とその2に必要な分を越えて、大過剰なタンパク質を摂ったら・・・?

 タンパク質って貯蔵できない栄養素でしょ?
 ああ、はいはい。タンパク質としては貯蔵できませんよ。
 だから、余剰タンパク質は変換されるのよ。
グルコースや脂質に。

 変換の話の前に、ちょっと寄り道して、大量のタンパク質摂取後にまず起こることを書いておこう。

 大量にタンパク質を食べる
→ 大量の血中アミノ酸
→ グルカゴン分泌が刺激される
→ 肝グリコーゲン分解が促進される
→ 血中にグルコースが放出される
→ 血糖値上昇を感知してインスリンが分泌されてグルコースが身体に取り込まれる

 タンパク質摂取後に少量のインスリン分泌があるのは、このせいよね。
 私は、昼はこの程度のインスリン追加分泌も足りないらしくて、血糖値が上がるけれど。(→過去記事:肉食者の憂鬱
 糖尿病でもインスリン基礎分泌がたっぷりある人とか、タンパク質摂取刺激によるグルコース放出に対応する程度の追加分泌なら問題なく出せる人の場合は、血糖値は上がらないのでしょうね。

 さて、タンパク質が消化吸収されて生成したアミノ酸が、その1:エネルギーとして消費される分とその2:身体を作る分を越えて大過剰にあるとき、アミノ酸はグルコースや脂質に変換される回路に入る。

 大量のタンパク質
→ 大量の血中アミノ酸
→ 糖原生アミノ酸
→ 肝臓で糖新生
→ 血中にグルコースが放出される
→ 身体に取り込まれる。主として基礎インスリンの作用で

 糖原生アミノ酸が大量に供給されていれば、糖新生でじわーーーっとグルコースに変わる。そしてそのグルコースは、その時点で運動などのエネルギーとして消費されるのでなければ、基礎分泌インスリンによってじわーーーっと取り込まれる

 インスリン基礎分泌なんて、ちょっとでしょ?
 いえいえ、コントロール良好の1型糖尿病患者さんたちが使う持続型インスリンと速攻型インスリンの比率から類推して、普通の人の1日のインスリン分泌の総量のうち、基礎分泌が占める割合はだいたい1/3から半分に当たるとわかっている。1/3といえば、基礎分泌は少量だから無視するなんてとても言えない割合よね。ローカーボな食生活をすると追加分泌が減るわけだから、相対的に基礎分泌の割合はもっと高まるはず。
 この基礎分泌インスリンが、グルコースや遊離脂肪酸の身体への取り込みに作用する。
 だって、それが本来のインスリンの仕事だもの。インスリンはアナボリック(同化)ホルモン。

 あとケト原生アミノ酸になって、アセチルCoAを経て脂肪酸になるのが、脂質への変換。

 ここの話は元々、維持カロリー以上に過剰摂取した場合だから、こうしてタンパク質が変換されてできたグルコースや脂肪酸も、身体にとっては過剰。だから、最終的に中性脂肪として蓄積されるわけ。(途中経過は省略。)

 というわけで、タンパク質の大量摂取で太ることは可能。

 もちろん、プロセスが多段階でややこしくなればなるほど、代謝ロスの生じる場面が増えるわけだし、各過程ごとに個人差があるだろうから、例外の人は大勢いるだろうけれど。

 たとえばインスリン基礎分泌が少ない人の場合は、グルコースを殆ど取り込めなくて体重は増えないかもしれない。
 とはいっても、早朝空腹時インスリンが1.5μU/mlしかない私(→過去記事:えいりあんのIGTぷろふぁいる)でも、体重の10 %くらいの増量は出来るのだから、基礎分泌が枯渇寸前でなければじわーーーーっとグルコースを取り込むことはできると思うのだけれどね。(実際、私は4ヶ月で4 kg増やしたしね。→過去記事:悪徳なんかこわくない

 そうそう、インスリン抵抗性の高い人は、現状以上には太れないかもしれないわね。
 インスリン抵抗性というファクターも侮れないわよね。私自身は、HOMA-Rも、腹部CTによる内臓脂肪量も確認済みだけれど、世の中には一般論とは異なる人も多いもの。痩せているのに脂肪肝の人とか、BMI30を越えてもインスリン感受性が良くていくらでも太れる人とか。

 おっと、余計なことを長々と書いてしまった。
 ローカーボ食で太れるかという命題は、アメリカのアトキンス・ダイエッターやローカーボ・ダイエッターの間ではもう何年も前に議論済みのことだから、ご存知の方も多いでしょうに。

 ともかく高タンパク食でたかが1 kgくらい体重を増やすのは、簡単なのよ。
 問題は、その1 kgを、落ちた下肢の筋肉を戻す形で増やせるかということ。
 だって、脂肪で1 kg増えたら、食事制限だけで痩せた後のリバウンドと同じことになってしまうもの。

 筋肉を増やすには、代謝回転で死んで捨てられる筋肉細胞の量以上に、新しい筋肉細胞を作らなくてはならない。
 それを可能にするのが、トレーニングで負荷をかけるということ。
 重いウエイトに耐えかねて微細な損傷を受けた筋肉は、次に同じようなことが起きるときに備えて以前より少し多めに回復する。(・・・と言われている。)

 体調が戻らないので、トレーニングのヴォリュームは少ないまま。気ばかり焦って、やりたいトレの半分くらいしかできないけれど、とにかく下肢トレの強度を上げていく。マッスル・メモリーを信じて。
 つい数日前のトレーニングで、スクワットの自己MAXを更新した。このダメージから上手く回復できれば、きっと今週中に脚の筋肉量は以前のレヴェルに戻ってくれると思う。

 1ヶ月以上かかったよ。年取っていると、キツいね。(しみじみ・・・)


copyright (c) 2012- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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