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2012年1月 9日 (月)

ネットの虚実

えいりあん・めもらんだむ

 空前の円高の恩恵に与って、プロテインを買うついでにアトキンス・バーなんかポチってみた。

Prtn_bar

 送料はプロテインの重量のせいだと思えば、今のレートならソイジョイと同じくらいの値段。それでローカーボなら、いいんじゃない?
 1本でもう充分という感じの、ねっっっとりしていてガツンと来る甘さ。ああこの味は、なつかしのあめりか。

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 英語には「糖質」に当たる言葉がないから、ローカーボが売りの商品は、net carbたったの何グラムなんていう宣伝の仕方をしている。ネット・カーボ=正味のカーボくらいの感じかしらね。

 で、ネット・カーボって何?

 ・・・これが、「炭水化物から、食物繊維と糖アルコールを差っ引いたもの」なんだわ。

Chococaramelmousse

 たとえば、Chocolate Caramel Mousse Bar(Only 2g Net Carbs)という商品では、
   炭水化物総量 23 g
   食物繊維   9 g
   糖類     1 g
   糖アルコール 12 g
だから、ネット・カーボ/g = 23 - (9 + 12) = 2 という計算。
ネット・カーボ2グラムのうち、1 gがシュガー(糖類)であとの1 gはなんだかしらないけれど繊維でも糖アルコールでもない炭水化物ということみたい。

 それはいいとして、糖アルコールにもいろいろあるんですけど
 でも成分としては、ポリデキストロースとマルチトール、スクラロースとしか書いていないのよね。配合比も不明。

Atkinsendulgechocolatecaramelmousse

 それでは、12 gの糖アルコールを本当にゼロとカウントしていいかどうか、わからないじゃないのさ。

 久しぶりの人体実験。
 アトキンス・バーをおに食べる。
 私のの血糖上昇率は、摂取糖質量が少ない範囲では、糖質1 g当たり4.8 mg/dlというデータがある。
 カウントすべきカーボが本当に2 gなら、血糖値はせいぜい10 mg/dlしか上がらないはず。

 Chocolate Caramel Mousse Bar
  投入1分前血糖値:97 mg/dl、投入63分後:147 mg/dl

 ・・・・・・上がるやんけ(-_-メ)

 追試。
 同じバーで、やはりお昼に食べたら;

 Chocolate Caramel Mousse Bar
  投入5分前血糖値:97 mg/dl、投入59分後:146 mg/dl、113分後:110 mg/dl

 いやあ、再現性いいなあ。私の身体って、測定器として優秀。

 もう1種類、Nutty Fudge Brownieでも同条件で実験。
 こちらも同じくOnly 2g Net Carbsと書いてあるのだけれど、成分は若干違う。

Atkinsendulgenuttyfudgebrownie

 やはり、血糖値は上がる・・・けれど140 mg/dlまでは行かない。

 まとめてグラフ化。

Atkins_exp1

 うーん、血糖値は30から50 mg/dl上がる。カーボたったの2 gとは、とても言えない・・・。

 でも、昼には肉だけ食べても血糖値が120 mg/dlくらいまでは上がる身体(→過去記事:肉食者の憂鬱)だということを考えると、そこから10から30 mg/dlの上昇でしかないから、カーボとしては少ない摂取量だった、と考えられなくもない。

 製品に表示されている熱量は、
Chocolate Caramel Mousse が 120 kcal、
Nutty Fudge Brownie が 170 kcal。

 成分表示には脂質とタンパク質の重量があるから、脂質の熱量を 9 kcal/g、タンパク質のそれを 4 kcal/gとして計算してトータルから引いて残った数字を、炭水化物の熱量 4 kcal/gで割ってカーボの重量を計算上求めてやると;
Chocolate Caramel Mousse が 17 g、
Nutty Fudge Brownie が 8.5 g。

 うーーーん。(u_u;;;
 同じネット・カーボ2 gでもChocolate Caramel Mousseのほうが血糖値が高く上がったことはこれで説明できるかもしれないけれど、カーボ 17 gってことはないわ。昼にそれほどカーボを摂ったら、私の血糖値はもっと上がるはず。
 Nutty Fudge Brownie の 8.5 gだけなら、納得できる数字なのだけれどね。

 昼の耐糖能がめっちゃ弱い私(→過去記事:真昼の血糖)としては、出張途中に昼食を摂らなくてはならないのに、辺りにカレー屋とうどん屋しかない時とかのランチ非常食として使いたくて買ってみたのだけれど・・・。
 私の血糖自己測定器の読みで150 mg/dl弱ということは、検査機関で前腕静脈血を測定したら140 mg/dl未満になるはず(→過去記事:BS オン デマンド)だから、ま、いいか。

 ちなみに、お昼ではなく3時のおやつにしてみたら、
  投入前血糖値:112 mg/dl、投入69分後:115 mg/dl

Atkins_exp2

 無問題。\(^-^)\
 これならネット・カーボたったの2 gを信じちゃうよ。

 そんなわけで私は、昼には、血糖値がピークで150 mg/dl近く(ただし、私の血糖自己測定器の読み値。静脈血なら140 mg/dl未満相当)まで上がることを覚悟して食べ、その他の時間帯には安全なお菓子とみなすことにした。

 アトキンス・バーって、耐糖能異常/糖尿病でも大丈夫なお菓子なの?と期待してここまで読んでくれた方、ごめんなさいね。
 私には、各自各シチュエーションで血糖測定して判断してね、としか言えない。

 
copyright (c) 2012- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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コメント

こんにちは。えいりあんさん、YCATさん、今年もよろしく。

私の愛読しているブログ 

http://profile.ameba.jp/miyazakigkkb/ 

に、ここのところ糖尿病と癌の関係についていろいろ書いてあったので興味を持って読んでいたのですが、結論めいたものとして、抗癌剤などの治療をしている人は栄養状態がよくないとだめなので、糖質制限食で食欲が落ちて弱るとまずいので現段階では勧められない、みたいなことになっていて少しがっかりしました。

メトフォルミンを飲んでる人は発癌率が少ないということで、私が薬を飲む時はそこから始めようかなとも思ったり・・・

おひまがあればこのブログの糖尿病シリーズを読んでどう思われるかご意見をおききしたいです。

投稿: まや | 2012年1月11日 (水) 06:31

まやさん

 ええと、がんは実は200種類もの病気の総称であって、当然がんの種類ごとに有効な抗癌剤も違うことが多いです。さらに既往症や全身状態まで考えると、同じ状態の患者というのはめったにいないものである、というのが、異時性多重癌(胃癌、喉頭癌、肺癌。転移ではなくてすべて原発)患者=父の家族としての経験から実感したことです。

 ということを前置きして・・・、
 ご紹介ブログの著者さんは腫瘍内科医さんなのですね。であれば、がん患者さんの中でも、早期発見→手術で完治パターンの人よりむしろ末期の方を多く診ておられるのでしょう。
 そうすると一般論として、抗癌剤治療で食欲が落ちる、体力がなければ抗癌剤治療に耐えられない、というのは正しいと思いますよ。
 父が使った抗癌剤にも、副作用として口内炎が起こったりするものもありましたし、そうなるとますます食べられませんからね。

 ただし。
 私個人としては、「栄養状態が良い」って何?という点を問題にしたいと思います。

 私なりに定義させてもらうなら、それは「各種アミノ酸がバランス良く血中に飽和していること」だと言いたい。
 実際、療養型病院で死にかけた母を急性期病院に転院させて、DMコントロールと全身状態の内科的立て直しをしていただいた時、お医者様は血中アルブミン濃度をメルクマールにしてアミノ酸点滴してくれましたしね。

 血中グルコース濃度は栄養状態を反映するものではなく、即効性エネルギー源の指標だというのが、これまた私なりの定義。

 だから、アミノ酸がしっかり摂れていれば、糖質が少なくても抗癌剤できるでしょ、と思うのですが・・・、そんなふうに食べられるかどうかというのは、また別の問題。というか、こちらのほうが大問題。

 私にとっては、今でも高脂質・高タンパク食は胃に厳しくて、実は一昨年の夏ご一緒したお鍋も、とても美味しかったのですが、あの晩胃を壊しました。ローカーボ食を支持する人たちが胃腸へのダメージを議論しないのが、不思議でなりません。私自身にとっては、膵β細胞と胃粘膜のどちらを優先させるかという問題なのに。

 だから、私が抗癌剤治療を受けることになったら、とてもケトン食など食べられないでしょう。きっと
「センセ、抗癌剤と一緒に高濃度アミノ酸点滴して♪」
と言うと思います。(^-^)

投稿: えいりあん | 2012年1月12日 (木) 23:08

ありがとうございます。
今日やっと件のブログが(まとめ)に入っていたのを読みました。

確かに、問題は、「栄養状態がいい」とは何か、かもしれません。

体脂肪のストックは大事だと思います。

私は炭水化物にあまり執着がない上に耐糖能異常ですから、これから先、炭水化物を積極的に摂る方向には行かないと思います。両親の体型から推測しても、今さら体脂肪がすごく増えるとも思わないし・・・そんな私がいつか抗がん剤治療とかになったらどうなるのかなあ。

えいりあんさんは、高たんぱく高脂質が苦手だったんですね。私は今のところ胃は丈夫なので、このまま細々と炭水化物少な目の食生活を続けることで、ガンもそれなりに回避できたらいいんですけどね。

つまり、糖質制限が、糖尿病の合併症回避だけでなく、抗腫瘍効果もあると思えればモチヴェーションの維持に役立つかなあと思ったんです。

投稿: まや | 2012年1月17日 (火) 23:07

素晴らしい記事だ

投稿: | 2015年3月 3日 (火) 20:53

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