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2011年4月30日 (土)

カウンター・レギュレイション : 運動と血糖調節5

えいりあん・めもらんだむ

 さて、グルカゴン分泌抑制作戦実践実戦編。

 特殊部隊戦には、周到な準備が必要なのよね。

 トレーニングの3時間前に低糖質の食事を摂って、その後、間歇的に少量の糖質をあえて投入して、血糖値を90 mg/dl付近にキープする。これでグルカゴン分泌は極小になっている・・・はず。(→過去記事:ダメージ・コントロール : 運動と血糖調節4) ただし、運動開始時に90 mg/dlだとウォーミングアップだけで血糖値が下がってしまうおそれがあるので、直前にはちょっと余分に糖質を入れて、血糖値を少し上げる。私の場合、どうせインスリンは出て来ないだろうけれど、抑え込まれていたグルカゴンだってすぐには来ないだろう。

# いわゆるインスリン事前発動とか呼び水作戦とは、違います。私の身体は、昼には、カーボ摂取してもそんなに都合よくインスリンを出してくれません。これは、あくまでグルカゴン分泌が抑制される領域に血糖値を上げておくという戦術。むしろ、カーボを食べてもインスリンが出ずに血糖値が上がる身体だからこそ出来る作戦かもしれません。

 そんな戦いの記録の一例。
 図中にで書き込んであるのが、カーボ投入タイミングと量。

Multi_carb_2

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 以下、血糖値はすべてSMBG(血糖自己測定)値。私の測定器でのSMBG値は、病院で測る上腕静脈血血漿グルコース濃度に比べると、空腹時で10~15 mg/dl、高めの血糖値の場合で20 mg/dl以上高い(←経験則)ことに留意。(→過去記事:アップサイドダウン―――インスリン感受性の光と影BS オン デマンド

加圧トレーニング開始時点をゼロ時として;

マイナス192分:血糖値89 mg/dl

マイナス187分:昼食。豚スペアリブと、鶏手羽と野菜やコンニャク、厚揚げの煮込み。糖質3~5 g

マイナス160分:牛乳100 g。糖質4.5 g。(←ここからグラフ中に記載)
 やっぱりマイルドに血糖値を上げ始めたいから、乳糖がいいかなと思って。

マイナス123分:血糖値112 mg/dl

マイナス84分:血糖値106 mg/dl

マイナス82分:トリュフ1個。糖質3.0 g

マイナス31分:血糖値112 mg/dl
 キットカット・オトナの甘さ。糖質6.6 g
 かといって6.6 g一気投入は、昼の私にはけっこうきついんだけれどね。

マイナス15分-マイナス3分AMT12分(ウォーミングアップ有酸素運動)。

マイナス2分:血糖値135 mg/dl
 静脈血血漿グルコース濃度換算で115 mg/dlくらいのはず。ま、いいんじゃない?

0-プラス60分:加圧トレーニング。
 この間、ヴァームウォーター。糖質3.2 g

プラス68分:血糖値159 mg/dl
 アドレナリン爆弾炸裂・・・するも、被害は限定的。
 
静脈血血漿グルコース濃度140 mg/dl相当。

プラス70分-プラス82分:AMT12分(クーリングダウン有酸素運動)

プラス83分:プロテイン。糖質1.1 g

プラス88分:血糖値140 mg/dl

プラス131分:血糖値84 mg/dl

 ハードなトレーニングでアドレナリンが出てしまっても、それによる血糖上昇は許容範囲内におさまったので、グルカゴン抑制作戦は成功。\(^o^)\

 もちろん何回も追試済み。
 事前投入糖質の量やタイミングや運動直前血糖値の調節レベルを変えたり、トレ中に糖質入りドリンクを飲むのをやめて水だけにしてみたり、まあいろいろ条件を変えてね。

 特殊工作員として起用した、グルカゴン・ストッパー/血糖微調整アイテムの数々。

Gl_stpr1

ブルボンのトリュフ:糖質3.0 g/個
明治のブラックチョコレート:糖質2.48 g/個
森永のカレ・ド・ショコラ/カカオ70:糖質2.3 g/枚
森永のダース/ビター:糖質2.0 g/粒

 うーん、チョコ系ばっかり。糖質含有量が1~5 g程度で個包装のお煎餅を探して、最近の愛用品はこれ。

Gl_stpr2三幸製菓チーズアーモンド:糖質約1.5 g/個

 トレーニングの2時間前から、10分~15分ごとにこういうアイテムを投入して、血糖値レベルを100~120 mg/dl(SMBG値)にキープし、最終回=ウォーミングアップ30分前だけ2個か3個まとめて食べるのが基本戦略。

 各回の実験にいちいち解説を書くのは面倒なので、ひとまとめにしたグラフを。

Multi_carb_bfr_tr_2

 が糖質投入タイミングが合わずに血糖値200 mg/dl越えを出した時のデータ(→過去記事:グルコース・シナジー : 運動と血糖調節3)、が上に記載のデータ。

 トレーニングセッションで例外なく血糖値は上がるけれど、ワタクシ的に許せる値に制御できることがわかったので、加圧トレーニングは継続している。

 最近は、むしろトレーニング後の急激な血糖低下のほうが気になるのよねえ。もう少しソフトランディングさせたいので、トレ後に摂取するプロテインをあえて糖質含有量の多いものに替えたり、事後にもチョコをつまんだり、と試行錯誤中。(でも、摂食パターンが決まる頃には、トレーニングメニューが変わってしまうのだ・・・。)

# 血糖値が上がるなんて、やっぱりワタシは運動なんてしないわ、と思った方へ:
 そういうことは、運動して血糖値を測ってから決めてくださいね。
 実際、血糖値が上がるほど運動するのは、なかなかたいへんなことでして、たいていの場合は下がります。


copyright (c) 2011- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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コメント

 YCAT様 いつも、ありがとうございます
 常々 尊敬しております
 そして、勉強させていただいております

 私は、頭の悪い主婦ですので、 YCAT様にコメントを入れるような 身分ではありませんが、いつも、聡明で、ダンディーなYCAT様を、お慕い申しております  
 夫も、最近 発覚した 糖尿ですが、危機感なく、 普通にお酒を飲み、好きなものを食べてるので、 怖さ知らずですが、この病気は 本人の自覚と、自分で管理しかないと、思っていますで、ストレスを与えないよう、 必要最低限なことしか、言いません。
 一筋縄でいかない、複雑で、難易な、病だと思っています。が、

 YCAT様の 血と汗のデータ で、 たくさん、勉強、 目からうろこです。 お医者様以上のお医者様だと、思っております。

 また、失礼でしたら、ごめんなさい
 誰よりも、お医者さんより、YCAT様が、リアル教祖様

投稿: ソフィア | 2011年5月 4日 (水) 18:10

 ソフィア様 お久しぶり? でよろしいですね。

 ゴーヤに限らず、野菜は全部有効です。
 ただし普通にちょっと付け加えるのは健康管理上ミネラル摂取で有効ですが、食物繊維による吸収遅延での血糖管理には効果的ではありません。α-グルコシダーゼ阻害薬を使用した方が確実です。
 非常識なほど大量に食べておなかをいっぱいにする――胃袋いっぱいにして食欲を管理してこそ価値があります。
 ラタトゥイユには、すっかりはまってしまいました。これを食わせれば、旦那さんもそんなに酒を飲めないでしょう。少なくともビールが入る余地は残らないはず。

>夫も、最近発覚した糖尿ですが、危機感なく、 
>普通にお酒を飲み、好きなものを食べてるので、 
>怖さ知らずですが、この病気は 本人の自覚と、
>自分で管理しかないと、思っていますで、ストレスを
>与えないよう、必要最低限なことしか、言いません。

 そうです。言っても無駄。それどころが、逆効果になる場合が多いです。食うことは人生の基本で、それだけが生きる意味だったりしますから、実際に怖い怖い合併症の初期症状でもないと自覚しません。

 初期段階なら心配無用です。
 でも、まあ、血圧には注意していてくださいね。ヘモグロビンA1cが基準値でも高血圧だったりすると、合併症はあっという間に来ます。

投稿: YCAT | 2011年5月 4日 (水) 21:10

↑↑↑
こういう会話が、私の記事のコメント欄で交わされる不思議・・・

投稿: えいりあん | 2011年5月 5日 (木) 09:08

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