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2011年1月24日 (月)

グルカゴン・バランス : 運動と血糖調節2

えいりあん・めもらんだむ

 かつて読んだ順天堂の河盛先生の講演の記録に、

犬を走らせると血糖値は全く変わらないが、犬の体のなかでは非常にダイナミックなことが起きている。筋肉がブドウ糖を猛烈な勢いで取り込み、その分肝臓がブドウ糖をたたき出しているから低血糖にならない。(中略)つまり正常な人に運動をさせても血糖値は変わらない。これはインスリンとグルカゴンがきちんと働くからである。ところが糖尿病の方に激しい運動をさせるとグルカゴンは分泌されるがインスリンは足りない。すると運動中に血糖値はむしろあがってしまう。

とあった。(これを最初にどこで読んだのだったか、思い出せない。紙媒体だったかもしれない。検索しても見つからないので、同じ講演のレポートから引用した。)

 おいおい、ひょっとして私はうちの犬にも劣るのか?

と内心不安にかられながら、犬と一緒に1時間走ったり歩いたりしてから血糖値を測ったら、別に変わっていなかった。
 大丈夫、私の身体は、犬なみの運動での血糖取り込みと、分泌されたグルカゴンの作用による糖放出をちょうどバランスさせられる。

 では、人なみの運動ではどうなのだろう?

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 
 ・・・過去の実験記録を見たら、ちゃんとやっていたわよ。

 フィットネスクラブでいつも出ている筋トレ系のグループ・エクササイズ60分を、事前カーボ投入なし・水だけの条件でこなした時は、血糖値はほとんど変わらない。(過去記事→加圧トレーニングと血糖値(2):アンタゴニズムから再掲した↓のグラフの青線が、そのデータ。)

Pr0522
 つまり、このグループ・エクササイズ60分間で筋肉に取り込まれた血糖量に相当する内因性グルコースが、肝臓から放出されていたということ。グルカゴンによって。

 次の問題。
 その時、一方で筋肉に取り込まれ、他方でグルカゴンの作用で肝臓から放り出されていたグルコースの量はどのくらいか?

 このデータもある。
 事前スイーツ摂取量と当該グループ・エクササイズをメインとした運動時の血糖値の推移を見たら、25 gまでのカーボ摂取なら血糖値は上がらなかった。(今度は過去記事→ワーク・アウト――運動による血糖消費からグラフを再掲。)

Ex_effect_2

 このグラフに、カーボ投入なしのデータを加えてひとつのグラフにしたのが、これ↓。
(カーボ0 gはに色を変えています。)

Carb_ex

 黒が事前カーボ投入なし緑がカーボ23.4 gを事前投入。2回とも、60分のエクササイズ。
 緑は2009年9月、黒は2010年5月に取ったデータだけれど、なかなか見事に重なってくれる。

 もしかしたら、23.4 gの事前投入カーボは運動中に全部取り込まれてしまって、さらに足りない分をグルカゴンが肝臓から放出させたのかもしれない。そうだとしても、30 g以上のカーボ投入の場合には、運動終了時に血糖値は若干上がり気味になっているのだから、23.4 gと30 gの間のどこかにグルカゴン作用が不要になるポイントがあったのではなかろうか?

 つまり、ざっと25 gくらいのカーボを食べたのに相当する内因性グルコースが出ていて、血糖値を一定に保っていたことになる。
 うーん、25 gって結構な量じゃん。
 血糖値が
上がっていないからといって、グルカゴン作用も侮りがたいものがある。

# どちらも古いデータだけれど、今でも同系のグループ・エクササイズの前にはカーボ25 g程度のスイーツを食べて、事後に血糖値が上がらないことは、確認済みです。(^-^)\


 検索していて見つけた、運動中のホルモン変化のデータ信州大学の運動生理学の教材から、引用。(著作権マークも何もなかったので勝手に拝借しましたが、支障がございましたらすぐに削除いたしますので、ご連絡ください。)最大酸素摂取量の50 %の運動の後に90 %の強度の運動を行い、血中ホルモンを測定したもの。

Ex_h

 運動強度が上がると、グルカゴンはちょっと増えてインスリンはちょっと減る。アドレナリン(=エピネフリン)は高強度運動でどかんと上がる。

 そんなわけで、加圧トレーニングを含む1時間のパーソナル・セッションで観測した驚愕の血糖上昇は、アドレナリンの作用だと解釈したのだ。

 ここで、次なる疑問。

 運動による血糖取り込みが先にある時、グルカゴンが分泌されて血糖値を一定に保つのは、犬でも私でも出来るとして、アドレナリンのような血糖上昇作用を持つホルモンがさらに分泌された時には、正常人は本当に血糖値を一定に保てるのか?

 たとえば、マラソン選手がレース中に後ろからライバルに迫られた時。速度=運動量はほぼ一定でも、心理的なプレッシャーでアドレナリンが出るだろう。
 あるいは、サッカーのゴールキーパーが、敵のフォワードが突っ込んで来るのを見た時。運動量はたいしたことないだろうけれど、アドレナリン全開になるんじゃないか?
 それでも血糖値は上がらないのか?
 いくら正常人でも、そんなに瞬時に追随できないだろうから、少しは上がって、それから下がるのではないか?

 運動選手だって、血糖値が逆側=低血糖側にオーヴァーシュートすることがあるのは、よく知られている。試合直前に炭水化物を食べ過ぎるとインスリンが大量に分泌されて、そのタイミングで運動すると血糖値が下がって、パフォーマンスが悪くなるから、直前の炭水化物摂取量には注意が必要だというのはいまや常識だ。
 であれば、正常者でも高血糖側にオーヴァーシュートすることもあり得るのではないか?

 耐糖能正常者なら血糖値は決して140 mg/dlを越えることはない、なんて神話は嘘っぱちだとCGM(血糖持続モニタリング)が明らかにしてくれたという話は、以前に紹介した。(過去記事→アジアの耐糖西欧の正常
 今回も、CGMのデータを拾ってきた。

 長距離陸上選手の朝飯前の20 kmランのトレーニングJOCのサイトから、引用。(勝手に拝借しましたが、支障がございましたらすぐに削除いたしますので、ご連絡ください。)

Cgm_20kmrun

 すごいこと、やるんだね。私は絶対にやりたくないわ。
 見てよ、見てよ~。
 140 mg/dlをちょいと越えるところまで、血糖値が上がっているのよ。食後には、せいぜい130 mg/dlまでしか上がらないような優れた耐糖能の持ち主なのに。

 アドレナリン作用などで、運動中に、運動による血糖取り込み分を越えて血糖値が上昇したとき、それを下げるのは・・・・・・インスリンしかないよねえ? 他に血糖降下作用のあるホルモンは無いのだもの。
 その時出てくるインスリンも、追加分泌と呼ばれるのだろうか。それは第1相? それとも第2相? 
 まあ、第1相でないと間に合わないだろうね。
 ・・・私の血糖値が上がるはずだわね。

 それにしても、教科書に書いてあるような、「運動中はインスリン分泌は抑制される」って話はどうなるのよ? 抑制されていたら、運動中にアドレナリンが出たら、血糖値は上がりっぱなしになってしまうではないか。やはり、血中グルコース濃度の上昇を感知して、運動中であろうとも、インスリンが追加分泌されるのでないと、血糖値は一定に保たれないよね。

 ああ、わからないことだらけだ。

# 食事以外の要因による血糖変動へのインスリン応答について詳しく解説している文献をご存知の方がいらしたら、コメントでご教示いただきたくお願いいたします。ググっても、ちっとも出て来ないのよ。(;_;)


copyright (c) 2011- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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コメント

人の体って、いまだに分からないことだらけなんですよね。

精密さに驚くばかりですが、精密なだけに、一旦、歯車が狂うと…。

それにしても、恐ろしや「アドレナリン」(笑)。

血糖値を下げるのが目的なら、「セロトニン」分泌を促す、景色や自然を楽しみながらのゆったりウォーキングを、出来るだけ長時間行うことですね。

筋が収縮している間は、Glut4も頑張ってくれると思います。

最近の私は、運動前の血糖値が高すぎて、糖質事前摂取もできません(汗)。

たいした糖質も摂っていないのに、血糖値が常時高いということは、ホルモンバランスもさることながら、筋への糖取り込みがスムーズにいかないということでもあります。

どうりで、筋肥大が私の期待値を下回る訳です。

私の加圧トレの目的は、筋肥大なのですが、少し、限界を感じています。

例えば、筋肥大と最大拳上負荷(1RM)の関係です。

加圧の場合、20%RMで筋肥大が起こるといわれていますが、本当?…と思ってしまいます。

現在は、60~70%(15~20RM)の負荷で行っています。

パンプアップは毎回起きますが、筋肉痛は全くありません(笑)。

先日、もう少し強度を上げて追い込んでみたところ、懸念した通り、ベルトのエアが、少し抜けてしまったようです。

トレーナーと、試行錯誤しています(笑)。

やはり、リアルにウェイトを上げるトレーニングと組み合わせて行うのがベストなんだろうと考えています。

時間が欲しい(笑)。

投稿: sho | 2011年1月25日 (火) 08:36

shoさん、こんばんは。

>血糖値を下げるのが目的なら、「セロトニン」分泌を促す、景色や自然を楽しみながらのゆったりウォーキングを、出来るだけ長時間行うことですね。

 私の場合、「ゆったりウォーキング」では血糖値はろくに下がらないんですよね。そりゃ、1時間も歩いていれば下がりますけれど、1時間じっとしていて下がるのとたいして変わりません。私にとって問題なのは食後のグルコース・スパイクであって、スパイクというくらいですから元々そんなに長時間のものではありませんし。それに、インスリン感受性は良好なので、インスリンさえ出て来てくれれば、じっとしていても結構血糖値は下がるんです。

 だいたいウォーキング時の筋収縮って、知れてません? 股関節と膝関節の角度変化はそれほど大きくないし。

 私が血糖値を下げたい場合は、食後高血糖が出ているのを15分くらいで落としたい、という意味なのです。
 フルレンジのスクワットとランジ、ステップを使ったレッグカールとニーアップ、腕振りも付けて・・・くらいやらないと、15分や20分では下げられませんねえ。

>最近の私は、運動前の血糖値が高すぎて、糖質事前摂取もできません(汗)。

 まあ、脂肪燃焼には、糖質事前摂取しないほうがよろしいわけですから・・・(^^;;;

>加圧の場合、20%RMで筋肥大が起こるといわれていますが、本当?…と思ってしまいます。

 私も20%RMではやっていません。
 というか、1RMを測るなんて怖くてできませんが・・・。
 でも、たとえば加圧でのレッグプレスは今40kgでやっていますが(30回-20回-15回-10回の4セット、45秒インタバルで)、加圧なしで200kgなんて1mmも動かせませんよ。ちなみに加圧しないときは、80kgで15回3セットです。
 20%RMなんて気にしないで、楽勝ペースになりかけたらウェイトを上げるか、圧を上げています。装着圧を上げられるのが、いちばんきつく感じます。加圧マスター使用なので、動いてベルトが緩みかけてもしゅっしゅと空気を入れてくれちゃいます。

 加圧トレだけでは筋肉痛は来ない、とトレーナーさんに言われました。乳酸を貯めて成長ホルモンを分泌させることによる筋肥大であって、筋の微細損傷をさせるのではないから痛みは出ないのだという説明でした。

 1時間のセッションで、前半が加圧、後半に6種目のトレーニングをしています。うち3種目は腹筋をお願いしています。腹直筋上部と下部、腹斜筋。あとの3種目は、加圧でパンプさせたその日のターゲットの筋。一応、毎回オールアウトを目指しているのですが・・・筋肉痛は来るときと全然来ないときがあります。(u_u;;;

 加圧でインクライン・プッシュアップをやった後、デクライン・プッシュアップで追い込んだときは、3日後まで大胸筋の筋肉痛が残ってコートに袖を通すたびに泣きそうでした。(だいたいデクラインの腕立てなんて、生まれて初めてやったんですから。)でも、先週は加圧でバックエクステンションした後に、デッドリフトで追い込んだのですが、ちーーっとも筋肉痛は生じませんでした。デッドリフト35kg・10回・3セットでは足りなかったのかもしれません。・・・足りないと言われても困るんですけど。(;_;)

>時間が欲しい(笑)。

 私もトレーナーさんに、週1回では足りないと言われています。たしかに、下肢を追い込む日と、体幹後部を追い込む日の週2回にしたい(腹筋は毎回入れるとして)とは思いますが、平日夜に通う気力がありませんし、そんなに貢げません。(ToT)

投稿: えいりあん | 2011年1月25日 (火) 23:15

えいりあんさんこんばんは(^-^)

寝る前に思った、私的妄想なのですが、

筋トレ直後に、筋肉から分泌されるIL-6の血管内壁に対する抗炎症作用。
最初はトレーニングによる筋自体の炎症に対して分泌が促されるのかな?と思ったんですが、

もしかして、アドレナリン等の血糖上昇ホルモンに対する生体の防衛的な分泌なのかも?と思ってしまって(笑)

筋収縮でアドレナリン等の血糖上昇ホルモンが出ちゃうけど、筋収縮中はインスリン分泌量は減っちゃう。

仕方ないから、とりあえず血管内壁をアドレナリン作用による血糖上昇から守れ〜!!
って感じで、IL-6が直後に分泌されるのかな〜と。

とまあ、筋トレ中の血糖上昇による血管へのダメージは以外に低いかも!?は、神のみぞ知る(>_<)
就寝前のふわふわ脳で考えてみました(笑)

こういうのを詳しく調べてくれる人が現われてくれないかな(~ヘ~;)

では、おやすみなさい゚+。(*′∇`)。+゚

投稿: 蝶々 | 2011年2月 4日 (金) 00:06

>蝶々さん

 うーん、インターロイキン6ですか。申し訳ありませんが、そこまで調べ切れていません。
 本当に、血糖値が上がっていても血管内皮細胞を守る物質が同時に分泌されているから大丈夫!という話ならよいのですけれどね。
 でも、運動で血糖値が上がっても問題ない、と言う人はいても、なぜOKなのか、その根拠が示されたものを私は見たことがないのです・・・。

 インターロイキン6が上昇するのは運動後1時間とかそこらだけれど、翌日以降のCPKの上昇とよく相関するから何か関係がありそう、という報告があったりするのを見ると、運動の長期的な効果をもたらすものではあるように思うのですが・・・、急峻なグルコーススパイクの悪影響(←これ自体、本当かどうかわかりませんけれどね)を相殺してくれるものなのかどうか。

 長期的な効果と言えば;
加圧のトレーナーさんに血糖値を上げて見せた時に、
「IGF-1(インスリン様成長因子-1)はどうなったんだ?!」
という話になりました。しかし、データこそ真実。血糖値は上がる。

 いや、私自身、加圧トレーニングを始めた最初の頃は、IGF-1に多大な期待を寄せていたものです。でも、加圧トレーニングすると血糖値は下がらず、むしろ上がるので落胆したのを思い出しました。
 で、そのとき、インスリンとIGF-1の違いを調べたのですよね。何がいちばん違うかって、血中半減期。インスリンに比べて、IGF-1は長寿命。そりゃ、即効性は期待できないわよ
 だから、IGF-1にはグルコーススパイクをすぐに下げる力はないけれど、でも、がっつりトレーニングを入れた翌日や翌々日の耐糖能が良いという現象はこいつのおかげじゃないの?と思いました。

# そういえば、IGF-1の話を調べていた時には、いつかこれ記事ネタになるかも、とか淡い期待を抱いたのだっけ。結局、小ネタにしかならなかったので、こうしてリコメでご披露。(^-^)

投稿: えいりあん | 2011年2月 5日 (土) 21:29

えいりあんさん
はじめまして
2型デブ型糖尿の
早く脂肪酸代謝になりたい
と申します
記事で勉強させていただき
大感謝です
(もちろんこの場を創られた
YCAT様もはじめまして
記事で勉強させていただき
大感謝です)
初投稿で
いきなり
質問で恐縮です
もちろん
おいそがしいところ
よろしければで
回答いただければ
幸いです

早速
質問ですが
何分
しろうとですので
(糖尿はもちろん年期の入ったプロです)
見当違いのとんだ質問になってしましうかもしれませんが
その節はご容赦ください
やっと本題ですが
河盛先生のお話に
脂肪酸代謝の話が出てこないのが
不思議に思いました
わたしの乏しい知識ですが
エネルギー代謝の大部分は
脂肪酸代謝だという記事をよんだ記憶があります
通常はまずブドウ糖代謝のエネルギーを
利用するということも聞いたことがあります
グリコーゲンまで使い果たした後は
脂肪酸代謝に切り替わるのではなく
やはり糖新生でブドウ糖をつくり続けるのでしょうか
また、脂肪酸代謝の体質になった人は
最初から脂肪酸代謝でいけるということでしたら
もはや血糖値は関係なくなると思います
また脂肪酸代謝の体質って
本当にあるのでしょか?(マラソン選手など?)
あったとしたら簡単になれるもんでしょうか?
全く実践がともなわない小生ですが
とりあえず理論だけでも
学んで目標ができればという
思いでつい投稿してしまいました
よろしければ
回答いただでれば
光栄です
今後も
えいりあんさんと
YCATさんの記事で
勝手に勉強を続けさせていただくことを
お許しください
以上、よろしくお願い申しあげます。

投稿: 早く脂肪酸代謝人間になりたい | 2011年3月 4日 (金) 11:35

早く脂肪酸代謝になりたい さん

 はじめまして。ようこそ。

>河盛先生のお話に脂肪酸代謝の話が出てこないのが、不思議に思いました

 実際の講演ではスクリーンに図表などが映し出されたはずで、それを見ずに要約だけで解釈するのは元々無理があると思うのですが・・・
 あえて考えてみますと、河盛先生のグループが実験されたのは、犬なのですよね。
 私も毎日犬の散歩をしていますが、犬って走り出す時は、いきなりダッシュするのです。準備運動なし、助走なし、いきなりダッシュ。(犬に限らず、動物にとって走るというのは、そういうことです。)
 つまり、いわゆる無酸素運動で、ばっちり糖質代謝。だから、犬の例を引いた話で脂肪酸代謝が出て来なくても不思議はないと私は思います。

 次に、糖質代謝と脂肪酸代謝はどちらも常に起こっていて、ある瞬間にぱちんと切り替わるようなものではありません。どちらの割合がより多いか、というだけのことです。
 脂肪酸代謝は、起きていようが寝ていようが、細胞中のミトコンドリアで起こりますから、その意味でエネルギー代謝の大部分という言い方もできると思います。

 先ほどの、いきなりダッシュとか、ウエイトトレーニングのような筋肉の力を一気に発揮するような運動時には、糖質代謝の割合が高くなります。

 糖新生も常に起こってはいますが、通常その割合はごくわずかで、これが血糖値維持のメインになってくるのは、絶食時間が15時間以上になった時(朝ごはんを抜いて、昼過ぎになったころですね)、または激しい運動で肝グリコーゲンの大半を放出した時だと言われています。

 マラソンの運動量では、30~35kmで肝のみならず筋グリコーゲンも枯渇する計算になります。それ以降走りきるには、脂肪酸代謝を有効に使えるような身体になっていなくてはなりません。練習して、40km過ぎまで走れるようになったということが
>脂肪酸代謝の体質
と呼ばれているのだと思います。
 この時、走り続けるエネルギーは体脂肪を分解して供給され、血糖値は糖新生で維持されているのでしょう。あっちからこっちへ、と「切り替わる」のではなく、両方同時に起こっているはずです。

# このへんの話は、私よりshoさんや蝶々さんのほうがずっとお詳しいです。shoさんのブログへは、このページの右カラム下方の「最近のトラックバック」の「他人事では済まされない思い… (セルフ コントロール ラリー) 」から行けます。
蝶々さんのブログは、shoさんのセルフコントロールラリーの右カラム「広げよう、「糖尿人」の輪」の一番下にある「蝶々の2型な部屋」です。

投稿: えいりあん | 2011年3月 4日 (金) 23:05

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