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2010年8月 8日 (日)

サマー・サンバ――空腹時血糖値の季節変動(6)

えいりあん・めもらんだむ

 私の空腹時血糖値は夏に高く冬に低い、なんて季節変動よりももっと重大なことは、去年よりも今年のほうが高いことだという話を昨年の12月に書いた

 その後日談というか、データ更新。

Seasonal2

 今年は4月にけっこう寒い日があったので、2009年10月~2010年4月まで(ブルー)を冬季としてみた。(2009年3月と4月は、一度も早朝空腹時血糖値を測定しなかったので、データがない。)



長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 前シーズン(オレンジ色)より高めに推移したことは間違いないけれど、直線近似してみると平行というわけではなくて、気温が高いと近づく感じ。

 夏の早朝空腹時血糖値はバラつきが大きくて議論しにくいのも昨年と同様の傾向なのだけれど、こちらは去年と今年で差がないように見える。
 つまり、冬の早朝空腹時血糖値は確かに去年より今年のほうが上昇しているが、夏のそれは特に悪化しているようには見えないということ。

 だから、
>今は境界型の私が、早朝空腹時血糖値を基に糖尿病型診断へ移行するのは、2年半後の夏頃か・・・?
という
予測は、外れるんじゃないかな・・・(^-^)\

# 去年も今年も、熱帯夜に血糖値90 mg/dlなんて測定値が出ることがある。この謎が解ければ、夏の空腹時血糖値を下げられるかもと思うのだが、自分の身体のことなのにミステリーのまま。

 2008年9月に受けた75g OGTT(糖負荷検査)では30分値を測ってもらえなかったためインスリノジェニック・インデックスが計算できなかったのだが、負荷前と60分値の間にどんな線を引いても0.4を越えるなんて無理だよ!というデータだった。そういう、今にも糖尿病に進行しそうなIGT(耐糖能異常)が、2年近く現状に留まっているということに満足しなくてはいけないのだろうなと思う。
 かと言って、10年もつとは思わないけれど・・・。

 さて、ここでひとつ書いておきたいことがある。

 別にたいして高くもない早朝空腹時血糖値を、なぜ私は測定し続けるのか。

 端的に言ってしまえば、早朝空腹時血糖値が私のインスリン基礎分泌量を推し量る指標になると思っているから。
 一方、食後血糖(ピーク値の高さと高血糖の持続時間)はインスリン追加分泌量と分泌タイミングを表していて、これがすなわち耐糖能と呼ばれるものだと理解している。
 私の場合インスリン抵抗性は皆無と言っていいから、抵抗性のファクターは無視ね。
 肝臓のグルコース吸収能力とかインスリン拮抗ホルモン分泌の亢進とかインクレチン作用の低下とかは、よくわからないし、SMBG(血糖自己測定)くらいしか手段を持たない一患者には評価できないので、おいといて。

 糖負荷検査は、耐糖能しか評価してくれない。

 インスリン基礎分泌が充分ある人は気にならないだろうけれど、血糖値は決して高くないのにすでに正常範囲から外れて少ない基礎分泌量になっている私としては、いつ基礎インスリンの不足が顕在化するか戦々恐々としているのだ。

 私は糖負荷検査でIGT(耐糖能異常)であることは確定した。
 しかし、糖尿病の進行度合いを評価するとしたら、いったい何を参照するのが適当なのだろう。
 HbA1cということになっているけれど、本当にこれが適切な指標なのかしら?

 私の血糖値とHbA1cなら、いわゆる三大合併症(神経障害と網膜症と腎症)の心配はない。

 何度もコメントなどで書いてきたことだけれど、私が恐れているのは大血管障害、とくに脳梗塞。
(心臓はいいんだ、勝負が早いから。←by 友人の医療ソーシャルワーカーさん(^-^))
 そして、糖尿病まで至っていなくても、IGT(耐糖能異常)の段階ですでに大血管障害については高リスクとなっているという疫学データがある。

 その説明として、食後高血糖がリスクファクターであるという説が、今は有力。
 だから私は食後高血糖を避ける食生活を実践している。

 もちろん、説は説に過ぎない。
 他に、高インスリン血がいけないという説とか、いやAGE(終末糖化産物)が原因だという説があることは知っている。

 大血管を障害するのは、いったいどれなんだ?
 血糖なのか、血中インスリンなのか、血液内に生成したAGEなのか。

 もし血糖が悪いのなら、HbA1cより血糖値を見るほうがダイレクトでしょう。血糖値は変動が大きいから、その平均と相関するHbA1cが採用された経緯は知っている。でも大血管障害の原因が食後高血糖なら、食後ピークの血糖値(あるいは食後血糖の持続時間で積分したトータル?)ばかり測定して評価するほうが妥当だと思う。だから私は、食後はもっぱら血糖値ピーク狙いの測定をしている。

 高インスリン血が問題なら、もっと血中インスリン濃度を測定して欲しいものだ。

 AGEが犯人なら、糖化反応の中間体であるHbA1cで評価するのも理解できる。中間体濃度と、終末糖化産物の相関性がどれほど担保されているのか知らないから、その点はまだ保留させてもらいたいが。でも、メイラード反応の中間体ということなら、グリコアルブミンのほうが鋭敏な指標じゃないか?

 大血管障害の真犯人が誰か、決着はついていない。

 それなのに食後高血糖を恐れてローカーボ食を実践するのは愚かだという考え方もあるだろう。
 でも、私には、グルコース無罪説に賭けて毎日血糖値200 mg/dlオーバーの食事をする勇気はない。
 糖尿病罹患10年以上経過しても大血管障害を起こさない患者のほうが多いことも知っている。だからと言って、自分自身が幸運な多数派のほうに入ることに賭ける勇気も、私にはない。
 すべて、結果の重大性(=重度の脳梗塞後遺症を持って生き延びてしまった場合に惹起される諸々のことども)を鑑みての判断である。

# 糖負荷検査での血液分析で、血小板凝集塊の生成は、血糖値のOGTT60分値(120分値ではない!)と良く相関し、その時の血中インスリン濃度とは全く相関しなかった、などというデータを見ると、高インスリン血よりは高血糖のほうが凶悪犯のようではある。(このデータのオリジナル論文は未読で、ネット上ではアブストラクトしか見つかっていないので、なんとも言いにくいのではありますが。ただ、当該データのグラフは、今書店に出ている雑誌(月刊糖尿病2010年8月号)の記事「高血糖と血小板機能」に引用されていたので、見ました。高くて買わなかったけれど。)


copyright (c) 2010- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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