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2010年6月12日 (土)

加圧トレーニングと血糖値(2):アンタゴニズム

えいりあん・めもらんだむ

 加圧トレーニングといつもの筋トレ系スタジオ・レッスンでは、同じ戦略(←スイーツ摂取戦略だよ♪)が通用しない。(u_u;;;
 傾向と対策を練り直さねば。

 まず、バックグラウンド測定。
 スイーツ事前投入なしで血糖値を追跡してみる。127 mg/dl。トレーニング前血糖値は108 mg/dlだったから、+19 mg/dl。測定器の許容誤差範囲の10 %を越えている。加圧トレーニングが血糖値を上げるのは、明らか。
 翌日、60分のスタジオ・レッスンで比較実験。この日はドリンクも水だけにして条件を揃えた。血糖値は105 → 113 mg/dl。ビミョ~。少し上がったとも、誤差範囲内で変化なしとも言える結果。カーボを入れずに運動すると、血糖値は変わらないか、わずかに上がるというのは、私のいつもの傾向(←それでも直近の比較データを採るために、スイーツ摂取チャンスを1回棒に振ったのよ(;_;))

Pr0522

 さあ、どうする?

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 

 加圧の有無でこれだけ差が生じるということは、加圧トレーニングで本当に成長ホルモン(=インスリン拮抗ホルモン)が出ていることを意味しているのだろう。だから、成長ホルモンによる筋肉細胞の肥大効果は期待してもいいのだろう。
 でも、成長ホルモン分泌刺激によって、インスリン様成長因子-1(IGF-1:Insulin-like growth factor -1)が出るから血糖値は下がるって話はどうなったのよ~?

 成長ホルモンより遅れて出てくるはずのIGF-1を15分間スタティック・ストレッチをしながら待っていたのだけれど、血糖値は118 mg/dlまでしか下がらない。駄目じゃん。IGF-1は来ていないか、効いていない。だから15分AMTに乗って、自分で脚の筋肉伸縮でGLUT4を回して100 mg/dlまで下げたわよ。

 運動中に上がる血糖値の出所は、肝臓。肝グリコーゲンが放出されて、グルコースとして血管を通って、筋肉細胞に取り込まれて筋グリコーゲンになるわけだ。グリコーゲンの 肝⇒筋 移送。なんか、いかにも筋肉が成長しそうな気がする。(^^)

 これで、血糖値が上がらなけりゃいいのに。

 血糖値が上がるといっても、運動によるものならば問題ないと言う人もいる。でも、カーボを食べて血糖値が上がるのは悪いのに、なぜ運動で上がるのはかまわないのか、その説明は見たことがない。
 まあ、たしかに、肝グリコーゲンからのグルコース放出は、カーボを食べたときみたいに200 mg/dl越え爆上がりということはないから、悪影響もマイルドではあるだろう。
 運動中は血流速も速いし、ガス交換も速いし、体温も高いから、悪い事象が起きていても安静時よりダメージが少なくなる可能性もあるだろう。(高体温なんかは諸刃の剣だろうけれど。体内で起こる反応はおよそ温度が高ければ速くなるのだから、組織を修復する反応も障害する反応もどっちも加速されるはず。)
 だいたい運動はリスクも害作用も伴うものであって、それでも効果とプラスマイナスしたら、ネットでプラスに傾くからやるわけで。

 でも、グルコース分子はグルコース分子だもの。
 肝臓から血中に放出されたグルコースと、カーボを食べて小腸から吸収されて血流に入ってきたグルコースを、区別できるわけ、ないでしょ? 脳細胞も、血管内皮細胞も。

 かてて加えて、加圧トレーニングは新しい方法だから、プラスもマイナスも評価が定まっていない。静脈血流は制限しているし、痛いし(痛いんだよ! 宣伝文には書いていないけれど。痛みについて書いている経験者でも、2~3回でおさまる、とか。大嘘。10回越えても、まだ痛いわよ。)、血糖値上がるし、果たしてトータルでプラスに持って行けるんだろうか?

 私は、154 mg/dlを許容する気はない。気分悪いもん。グルコースを筋肉に送り込む過程としての血糖値であっても、140 mg/dl未満にキープしたい。

 では、加圧トレーニング前は、スイーツを食べない? ・・・ヤダね。127 mg/dlは許容範囲内だけれど、そういう問題ではない。
 いっそ加圧トレーニングはやめて、従来型のトレーニングだけにする? ・・・実はゴールデン・ウィーク中は加圧トレーニングをしないで、スタジオ・レッスンと自己流マシン・トレーニングだけにしていたのだけれど、恐ろしいことに物足りなかったのだ。自分がコワイ。

 前記事で出したデータのように、カーボ22.6 gを一気投入しても筋トレ系プログラムSoMを60分やれば血糖値は上がらないのは、血中にはいるグルコースを片っ端から筋肉が取り込んでいるから。事前カーボ摂取ゼロで同じだけの運動をしても低血糖にならないのは、グルカゴンや成長ホルモンやアドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが出て、肝臓からグリコーゲンを放出させるから。・・・ここらへんは、NGT(耐糖能正常者)の応答と基本的に同じ、というかIGT(耐糖能異常者)である私がNGTのミミックに成功しているケース。
 ところが、加圧トレーニングで大量の成長ホルモンを出したら、もう私はNGTの真似はできなかった。
 運動によるグルコース取り込み < 成長ホルモン分泌による肝グリコーゲン放出 になったから。
 でも、この大小関係は、私がNGTであったとしても同じはず。

 だったら、NGTな人たちは、なぜ加圧トレーニング時でも血糖値が上がらないのだろう?
 成長ホルモンが分泌されると、インスリン分泌は抑制される。
 ・・・でも、このインスリン分泌の抑制って、追加分泌がストップするということよね?

 つまり、成長ホルモン分泌によるマイルドな血糖値上昇傾向は、正常人ならインスリン基礎分泌で抑え込めるということ?
 未だ境界型でありながら、私のインスリン基礎分泌量はかなり少ない。(2型糖尿病と確定診断された人でも、私より基礎分泌の多い患者さんはたくさんいる。)私の場合、基礎インスリンが少ないから、気温変動によるわずかな基礎代謝の差が血糖値になって見えたりするのよね。

 加圧トレーニングの場合も、成長ホルモンがどっと出てきた時に血液中にあるインスリンが足りないから、血糖値が上がっちゃうのね。
 だったら、その時に血中にもう少しインスリンを置いておけばいいんじゃない?

 先輩カーボカウンターたちが編み出した、インスリンの事前発動とか呼び水効果というテク。
 私にはこの手は使えなかった。遅れたからって余るほどのインスリンは決して出ないので、本番投入のカーボに負けてしまうのだ。
 でも、今回の相手はカーボではない。成長ホルモンに刺激されて出てくる肝グリコーゲン。それなら勝負できるかも。

 ちょっとだけインスリンを足して、NGTの基礎分泌量なみにしておけば肝グリコーゲンが出てきても、目に見えて血糖値が上がることはないんじゃない?
 私の空腹時の基礎インスリン濃度は、1.5μU/ml。その検査機関の正常範囲は、2.2~12.7μU/ml。ほんの0.7μU/ml上乗せできれば、正常者なみってことよ。
 成長ホルモン分泌がピークになると予想されるタイミングから逆算して60~70分前に、少量のカーボ(基礎インスリンだけでは処理しきれないけれど、血糖値を大きく上げはしない程度の量)を投入して、少しだけ追加インスリンを出させておく。成長ホルモンが出ると同時にインスリン追加分泌は止まるだろうけれど、それはどうでもいい。成長ホルモンが分泌された時に、全身の血液中に基礎分泌プラスちょっとだけアルファのインスリンが居てくれればいい。そこにインスリンさえあれば、私の細胞たちはグルコースが到着しだい直ちに銜え込んでくれるパックマンみたいなものなんだから。

 さあ、実験結果。

Cocoa_3

 カーボ7.0 gのサンプルはカントリーマアム・ココア。(って、いつからカントリーマアムの炭水化物含有量はバニラ6.9 g、ココア7.0 gになったんだ? 去年は、6.6 gと6.7 gだったのに。)

Gr

 カーボ10.3 gは、ガトーレーズン。

加圧トレーニング・セッション前後の血糖値と事前投入カーボ
事前投入カーボ量 事前血糖値 加圧+体幹トレ後血糖値
0 g 108 mg/dl 127 mg/dl
7.0 g 111 mg/dl 122 mg/dl
7.0 g 115 mg/dl 113 mg/dl
10.3 g 109 mg/dl 116 mg/dl
22.6 g 110 mg/dl 154 mg/dl

 ほらね。
 事前投入カーボがゼロのときより、カーボをちょっと食べたほうが、トレーニング・セッション後の血糖値は低い。
 事前血糖値は似たり寄ったりだから、トレーニング後の血糖値だけをグラフにすると、こんな感じ。

Antagonistic

 もうちょっとデータを増やさないとね。実験サンプル調達に、スーパーへ行こう。(^-^)


copyright (c) 2010- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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コメント

加圧トレーニング1年間やってたのですが、平均してHbA1cが5.1ぐらいから5.8、5.9%と上がってきたので、今は休止してます、なんか血糖値的には良くない気がしています。

投稿: YT | 2010年6月14日 (月) 10:01

>YTさん

 コメントありがとうございます。

>なんか血糖値的には良くない気がしています。

 私もHbA1c5%台前半、まだ境界型なので、「糖尿病でも軽症のうちは無酸素運動も平気」という話を信じて加圧トレーニングしてみたのですが、血糖値は上がりましたねえ。
 本当に成長ホルモンが出ている証拠でもあるのでしょうが。

 でも、この記事にも書きましたように、血糖値を抑え込むワザを習得したので、私は当分加圧トレーニングを続けます。

# メールアドレスをご記入いただきましたが、削除しました。ハンドルが過去のコメントと異なるのは、何か理由があるのでしょうか?

投稿: えいりあん | 2010年6月14日 (月) 14:11

># メールアドレスをご記入いただきましたが、削除しました。ハンドルが過去のコメントと異なるのは、何か理由があるのでしょうか?

あらら、すみません、久しぶりだったので、ずっと同じハンドルと思っていました。失礼しました。

投稿: YT | 2010年6月15日 (火) 09:32

えいりあんさん、こんばんは。

色々コメントしたいのですが、時間がなくてできません(笑)。

タイミング的にずれるかも知れませんが、宜しくお願いします。

YTさん、加圧⇒A1cの悪化…、できればデータを見せていただきたいと思います。
横レスですみません。

投稿: sho | 2010年6月15日 (火) 20:43

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