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2010年4月20日 (火)

ああ勘違い。ゆがんで、ゆがんで、ガラパゴス医療へ

 そりゃあ、痩せるでしょ(´ヘ`;)

 1日の摂取エネルギー量を1200~1600kcalとした上で、炭水化物の摂取量を制限する食事指導を行っている。

 日経メディカル2010/04/15付糖尿病○脂肪を控えてカロリーを減らすべきか(会員登録が必要です)で、意気軒昂に語っているのは、兵庫県の中村整形外科リハビリクリニック理事長の中村先生。
 2003年から、自院の肥満外来の患者約1000例に対し、この糖質制限食を運動療法と併用

 そりゃ効果あるでしょ。
 カロリー制限(守れるものなら)に、運動(続くものなら)励行、それで痩せなかったらそもそも不思議な上に、「朝食を抜く」「夕食時のみ主食を抜く」の江部式糖質制限しているんだもん。
 問題は、それについていける患者がどこまでいるかだ。 
「ステーキは食い放題でいいよ」のカロリーフリー/アトキンスダイエットであれば喜ばれるけど、合併症やメタボリック症候群に怯えるデブ患者の恐怖心につけこんで、強制的に減量させてうれしい? 

 漢方大好き内科医に整形外科。
「門外漢が何を言おうと関係ありません」
 カロリー制限であることは同じであるわけだし、内科医そして糖尿病専門医としては、馬鹿馬鹿しいだけの話だろうが、糖質管理――カーボカウント(炭水化物のうちの糖質管理による血糖管理)の亜流が混じっているので、実際に痩せる場合が多い。
 だからといって、因果関係を見極めず、エビデンスとするなら、それは勘違いとしか言えない。
 ついていける人は、どの道、痩せる。勝利への道は多様なのだ。
 ミイラになるつもりがあるなら、30日以上の絶食だって、やってやれないことはないのがヒト族。その風景を描いたのがドストエフスキー。悪霊ってのは、村上春樹世界のキーワードでもあるのよ……猫にはついて行けません。幻想じゃ腹は膨らまないにゃあ。
 医師の趣味に合わせ、出た結果から法則を作っちゃう、原理原則を無視した食事療法。多機能化すればするほどおもちゃになって、開発者は喜ぶが、実際には使いにくい日系メーカーの携帯電話機と似た景色。
 その昔、インスリン発見前夜。
 アレン博士は飢餓療法――食わせなきゃ血糖値を上げずに済むと大発見した。管理人、コーフン。患者、ゲッソリ。
 100年たって同じことを通用させようとする日本。
「炭水化物の過剰摂取はインスリンの追加分泌を促して肥満の原因にもなる」って部分は世界標準になって久しいのに、どうしてゆがめて伝えなきゃいけないんだ? 
 代謝の様相を見極めつつある諸国を置き去りに、太平洋に浮かぶ旧世界ガラパゴス諸島にむかって、どんどん流されていく日本医療界。
 ……これでいいのか、医師会?
 
 カーボカウント(炭水化物のうちの糖質管理による血糖管理)がわかると薬剤費を大幅に減らせるよ、長妻大臣! おれたちの税金を無駄にしないで! 

 あたたの患者指導、ここが古い! その患者指導、大丈夫?

 とりあえず4点アップ。 いずれも会員登録が必要です。

 《Vol.1》糖尿病●脂肪を控えてカロリーを減らすべきか
 http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_66920_160740_4
 《Vol.2》禁煙●たばこの本数は徐々に減らすべきか
 http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_66920_160740_5
 《Vol.3》妊婦●妊娠中は体重が増えないようにすべきか
 http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_66920_160740_6
 《Vol.4》動脈硬化●卵の摂取を制限すべきか
 http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_66920_160740_7

「常識」と思われてきた生活指導の中には、実は根拠がなかったり、新たなエビデンスが出て考え方が変わってきているものが少なくありません。また、その内容が、現実的には実行不可能な指導も見られます。本特集では、従来の「常識」を最新の文献を基に徹底検証し、エビデンスに基づいた効果の高い指導を紹介します。

 わからんでもないが、これが日経の専門誌のレベルだっけ?
 電子関係、製造業関係は、緻密な取材を感じさせる記事が多い。
 日経ビジネスだって、あの大臣の長妻厚生労働相が在籍したことがあるだけあって、株屋向けチョウチン記事は、案外少ない。
 うううううん(´ヘ`;)
 他のマスメディア同様、激しい競争を経て就職した優秀な○×二択専門家たちが、この編集部も占拠してしまったのかしら。
 どうも受け売りの記事が、多いんだよなメディカルは。
 日本の医者の言うことなんか、鵜呑みにしちゃだよ坊やたち。
 ……ってか、裏を取るのがジャーナリストとして最低限の義務だ。どれほど権威があろうと、自分が理解できない、納得できないなら、文章にしてはいけない。
 書くものがないなら、白紙で出版する。
 そのくらいの矜持はもってもらいいたいものだ(´ヘ`;)……って、ないものねだりか(´ヘ`;)
 ちっとは自分の頭を使え! 優秀なんだろ君たちは。

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コメント

 お久しぶりです。
 トラックバックさせていただきました。

 門外漢…、それも問題ですが、一方で、専門医と称する素人の弊害、これも計り知れませんね。
 多くの患者が、健常人と同じ考え方の食事を続け、ひたすら薬をのみ続けています。
 日本では、それを「治療」と言っています。
 時とともに薬が増え、やがて、いわゆる教育入院でインスリンに移行し、その段階では、合併症も発症している…。
 これが、「糖尿病」と診断された人のたどる、「治療」とは名ばかりの、一般的なシナリオだと思います。
 私も、かつて、このシナリオに沿って生活していました。
 糖質が血糖値を上げるという事実から目をそらさず、「治療」に「成果」を求めるのならば、糖尿病と診断された人は、一生、糖質摂取を管理するしかないと思います。

 パラダイムを転換すれば、どれ程の医療費が節約できるのか…、想像に難くありません。
 医療に限らず…、最近の日本は、本当にレベルが下がってしまいましたね。
 老人でなくとも、「立ち上がり」たくなってしまいますよね(笑)。

投稿: sho | 2010年4月23日 (金) 07:41

 shoさん、お手数かけました。

投稿: YCAT | 2010年4月24日 (土) 00:26

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