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2010年1月19日 (火)

真昼の血糖――耐糖能の日内変動

えいりあん・めもらんだむ

 私の耐糖能は、朝良好で、昼は滅法弱く、夜はまあまあ、と変化する。

 これまた定説――インスリン拮抗ホルモンが分泌される朝~午前中に血糖値が下がりにくく、活発に活動する日中がもっとも血糖値が上がらない時間帯である――に反していると言われたけれど、そんなの知ったこっちゃないわ~。同じような日内変動をする方が、けっこう大勢いらっしゃると知った今では、なおさら。

 自分自身のこのパターンに気づいたのは、IGT(耐糖能異常)発覚直後に某サイトで勧められるままに食パン摂取実験を昼にやって、75g-OGTT(糖負荷試験)時より高い血糖値(200 mg/dl越え)を叩き出した時だった。朝に追試してみたら血糖値はそれほど上がらず、やっぱりね、と思ったものだ。

 その時のデータは、これ。

62g2008r

 投入物は食パン、エネルギー346 kcal、炭水化物62 g。他に口にしたのは水または日本茶だけ。

 しかし、今の自分から見ると、この実験には不満がいっぱい。

 IGT初心者だった私は、測定中に歩いている。これでは運動の効果がかぶってしまうじゃないの。

 糖質60 gを昼に食べるのは無謀だとわかっているし、パンだとタンパク質や脂質も共存するし、この実験の再試をする気には、とてもなれない。
 第一、もともとプレーンな食パンや白いご飯は好きではなかったのに、それと水だけなんて食事をしたくない。

 ・・・というわけで、今回実験用に選んだサンプルはこちら。

Carb40g4_2 Carb40g1_2

 しかし、実験中に私はこの選択を深く後悔することになる
(だから、読者のみなさんは真似なさらないように!)

長文注意報! 興味とお時間のある方は、お進みください。

 成分は、エネルギー:160 kcal、たんぱく質:0 g、脂質:0 g、糖質:40 g、食物繊維:0 g。これなら脂質による吸収遅延効果も、たんぱく質共存によるインスリン分泌促進効果も排除できるはず。

 まず、昼の時間帯で実験開始。朝食からは5時間空けている。

 あらためて成分表示を見直す。ゼリーといってもたんぱく質ゼロだからゼラチンを使っているわけではない。食物繊維ゼロだから、寒天が入っているわけでもない。増粘多糖類で固めているだけ。
 ・・・1分で投入完了。 ゼリーと名前がついているくせに、口の中で液状化! やばい、これは吸収が早い・・・!

40g_lunch

 1時間で252 mg/dlまで上がる。うわ、新記録だわ。ここで15分スクワットとプッシュアップすれば、ざっと60 mg/dlは下げられるとわかっているのだけれど、これは実験と自分に言い聞かせて、じ、と座り続ける。
 ピーク狙いの77分後測定で、246 mg/dl。私のピークはだいたい75±10分の範囲に来るはずなのだが、液体だから早かったのか・・・?
 92分でも246 mg/dl。インスリンはちっともやって来ない。
 2時間でようやく下がり始めるも、まだ217 mg/dl。
 3時間くらいでどんと下がるわけでもない。インスリン分泌が遅延するだけであとから過剰に出たりはしない。とにかく、インスリンが出ない、足りないのが、私の昼のパターン。

 この実験中、私の血糖値は1時間以上にわたって200 mg/dlをオーバーしていたのだけれど、自覚症状はなんにもなかった。眠くもならなければ、頭がぼーっとするわけでもない。測定しない限り、私には全然わからない。
 血糖値が高くても、ずっと空腹感はあったし。(ほとんど液体180 gで満腹感なんか感じるわけがない、と私は思う。)
 私の脳は、血糖値より胃の充填率を以って空腹感を認定するようだ。

 朝と夜に、同じドリンクゼリーを1分で投入した実験の結果はこちら。

40g_d_vr

 ね? 私の耐糖能は、朝>夜>>昼

 こうやってみると、糖質投入後30分の血糖値の立ち上がりカーブは、ほぼ同等。昼は、高く上がってその後いつまでも下がって来ないのが問題なのだということが、わかる。
 つまり、インスリン追加分泌第I相が欠落しているのは、朝・昼・夜とも同じだけれど、追加分泌第II相に差があるのね。朝は第II相はしっかり出せるのに、昼は出て来ない。夜は朝より少ない量が遅れて出る、らしい。

 自分のこういう血糖応答パターンを常に念頭において、時間帯ごとに何をどれだけ食べるかを決めるのって、かなり面倒くさい。もう1年やっているから慣れたけれど、他人には理解されないし、人と一緒に食事をすることはめったになくなってしまったわ。

 それにしても、実験サンプルの選択は失敗だった。(たぶんスポーツ時の)エネルギー補給用のドリンクゼリーなのだから、早く体内に吸収されるように作ってあることに思い至らなかった私が愚か。普通の食事で糖質40 gなら楽勝の朝に、194 mg/dl@61分のスパイクを見てしまうなんて・・・。

 ・・・次にこういう実験をする時は、少量のタンパク質や脂質の共存効果には目をつぶることにして、お煎餅でやろうっと。

copyright (c)2010- えいりあん
 転載厳禁。引用の際は、ブログ「血糖を管理する日々」に言及の上、リンクを張ってください。

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コメント

 なるほどこれが去年暮れの悪夢だったわけですね。

>それにしても、実験サンプルの選択は失敗だった

 これで、即、目がつぶれるなら困りますが、高血糖データがとれて、むしろめでたしってものじゃありませんか? 
 美味くも満腹にもならない上に、危険と来ればなんどもやるもんじゃない。でも、OGTT(ブドウ糖負荷試験)より、こっちの方が呑みやすいし、羊羹より紛れ要素がない分、実証的です。
 
>普通の食事で糖質40 gなら楽勝の朝に、
>194 mg/dl@61分のスパイク

 遅延要素があると本当の危険カーボ量がわからないまま過ごさねばならないはずです。
 食物繊維なり、脂質とセットすべきだとわかったわけですから、チョコレートを一緒に食いましょう! うふ。

 しかし……。
 食後高血糖に気づかずにいらしたら、お仕事柄、多忙時にこれで食事代用の場合もありましたでしょう。そうした場合の方が普通だったりします。で、胃の体積にはとても及ばない量ですから、もう一袋食べちゃう人もいるんでしょう。
 あぶない、あぶない(´ヘ`;)

投稿: YCAT | 2010年1月20日 (水) 00:33

YCAT様

> これで、即、目がつぶれるなら困りますが、高血糖データがとれて、むしろめでたしってものじゃありませんか?

 まあ、私はネガティヴ・データの意義というものをよく知っていますので、こういう不覚をとった実験の結果もさらすわけです。ダレカサントチガッテ・・・

 同じブランドのドリンクゼリーにゼロカロリーの品(エリスリトール使用、こんにゃく粉でゲル化、食物繊維0.5 g)もありまして、こちらは噛んで飲み込むし、同じ180 gでもしばらく胃に溜まる感じがするんですよね。偉大なり、こんにゃく粉。同じ食感だろうと予想していたのに、口中でさらさらと液化して行ったので、しまった~!と思いましたが、時すでに遅し。
 OGTTの際の炭酸一気飲みより、ずっと飲みやすいのは確かです。ビタミンB、Eや葉酸も摂れるし、わたくし的には食パンより良い食品認定なのでした。

> あぶない、あぶない(´ヘ`;)

 私は定説だと言われても根拠を確かめるまでは信じない/医師の著書に書いてあっても鵜呑みにはしないというメンタリティの持ち主ですし、かつ、母親が糖尿病で一時期インスリン注射をしていたのでSMBG(血糖自己測定)にファミリアーであった、という条件がそろったので、ご承知のような経過を辿ってきたのですが、世の中そういう人ばかりではないことは重々承知しています。

 私と同じような血糖応答の日内変動パターンを持つ人が、SMBGせずに糖質制限食のスタンダード版を実施していたら・・・と想像すると恐ろしいですね。
 「まだ境界型だもん、高い測定器なんて買わなくてもいいわよね。糖質制限も、スタンダードで充分よね♪」
という気分になるだろうことは想像に難くありません。それできっと体重は落ちるだろうし、インスリン抵抗性のある人ならば減量したことで早朝空腹時血糖値もHbA1cも低下するかもしれません。でも、実は毎日昼に高血糖・・・そして何年後かの検診で突然空腹時血糖が上がっている・・・(u_u;;;

 私が自分のデータをこうして公開するのは、どこかに同じような少数派のIGT(耐糖能異常)者がいるだろうから、なのですが、上のような事態を想像すると、私のようなパターンは少なければ少ないほど良いという気分になります。


>チョコレートを一緒に食いましょう! うふ。

 いえ、私としてはアイスクリームにファッジこんもり・・・
って、なんでYCAT様とだと、こうなるんですか?!
どうしてIGTがわざわざ寄ってカーボに挑戦しなきゃならないのか、甚だ疑問。三度目はありませんからねっ (>_<)

投稿: えいりあん | 2010年1月20日 (水) 22:23

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