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2009年6月10日 (水)

基礎インスリン早期追加療法

 昨日まで第69回米国糖尿病学会が開かれていて日経メディカル(会員登録必要)大忙し。

1型糖尿病とは違い、2型糖尿病患者へのインスリン療法は、どちらかというと「最後の手段」との印象が強いかもしれない。

 日本糖尿病学会へのコメントにも書いたが、まだこんな認識が残っている(´ヘ`;)
 筆者の医学ライター/宇田川久美子さんの履歴は不詳。

 ここ数年、強化インスリン療法より、食事前の追加インスリン投与が大変なので……と治療効果より、患者の利便性を考慮して、基礎インスリン+薬物療法を勧めるケースが、日本で増えてきているが、カーボカウント術的には、むしろこの方が自然なのかもしれない。
 SU剤(自己分泌促進)が当初画期的だったのも、基礎インスリン程度の量は分泌できた為と考えれば有効だったのも理解できそうだ。全部正しくはないが、一部正解ってのは、よくある話。

 その条件。
 あくまで自己分泌で処理できる範囲内のカーボ摂取であること?
 多すぎると、インスリンを追加しないと高血糖となるし、分泌できたらできたで、中性脂肪への転換が進んで、インスリン抵抗性増大。
 そこを考慮せず薬剤の増量だけで対応してきたから、しまいには「疲れちゃった(´ヘ`;)」とすい臓君が崩壊した?
 
 それにしても様々な記事を読んでいて共通する点がある。どこにも食事量(もちろんカーボ量も)のデータが出てこない。
 医師にとっては食事は<適量を食べている>ってのが大前提なのだろう。
 底なしバケツなんて、人間のすることじゃない! 
 ……それを普通、机上の学問と呼ぶんじゃないかしら(´ヘ`;)

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コメント

 なんだか疑問に思ってしまって・・・。
 場違いな書き込みであれば、削除も否みません。最近の僕は兎に角暇なので希望的な観測でネットを使いDMの情報収集に努めています。結果いろんな記事を見つけてはクリックを繰り返す毎日・・・。
「膵臓に、インスリン分泌を働きかける神経ネットワークを解明!」やら「甘味を感じる受容体が肝臓、膵臓にも存在!2型糖尿病の治療に応用可能か?」やら・・・。
 けれど、読み進めていくうちに疑問が生じます。
 国内の研究機関に於いて、マウスやラットに施されている殆どの高血糖食が「高脂肪食」だという事・・・。驚きです。
 最前線に於いて、げっ歯類とはいえ哺乳類の高血糖を招くのは「脂肪」だという説に基づいて、いまだに脂肪は悪者のようです。
 例文 「Aのマウスには神経ネットワークに刺激を与え、Bのマウスには高脂肪餌を与え続けたところBのマウスは死亡した」
 えっ?!って感じです。脂肪が悪の前提では、研究が座礁するのが眼に見えてしまうのは僕だけなのでしょうか?
 第一級の国内の研究能力でさえ、糖質が血糖値に関与してる事実さえ提供されていなのが現実なのでしょうか。悲しくなります。

投稿: ハンモック | 2009年6月11日 (木) 20:53

 おはようございます、ハンモックさん。
 場違いじゃありませんよ(^!^) 私も似たような意識で、はは、<愚痴>っているわけですから。

 常識の壁ってのは、それなりの事実に基く歴史があるから成立しているわけで、簡単に崩せないからこそ<常識>となります。
 そうじゃなかったら、ただの思い込みで、そもそも誰も信じません。

 ギロチンやら、ロシアの血の日曜日のように、ショッキングな出来事があれば、パラダイムはあっけなくひっくり返るのですが、そうじゃなければ、天動説のように、延々と壊れません。
 ……本当に、地球は丸いの? 
 宇宙からの写真って、ほんとに撮った写真なの? 合成じゃないって誰が保証するの? 

 この数年、数少ない医師のネット発信を見ていると、ご自身が耐糖能異常(IGT)である方だけが、脂肪害悪説への疑問を――それも、おそるおそる匂わさせています。

 釜池さんはそうじゃないわけですから、まったく異例です。スポーツ医学って主流じゃない分野だからなのか、例外好きの京大出身だったせいなのか?
 日本の医学界は、まだまだ派閥がうるさそうです。宗教ほどひどくないですが、茶道や華道的な部分が残っているみたい。
  
 江部さんにしても、当初は信じることなく、一所懸命、漢方的ハイカーボ主義だったわけで、ご自身が高血糖になって初めてカーボを疑いだした経緯があります。

 愚痴っても何も変わらない訳で、だからといって、Dr.バーンスタインみたいに、40歳を越えてから医師を目指す根性なんてありません。
 やります? 
 やったところで、研修医なみの雑用に追われて忙しい日本の<かわいそうな>医療業界じゃ、ミイラ取りがミイラになるだけかもしれません。
「使えないから、電子カルテ反対!」なんて声が出る、信じられない業界です。
 行政命令で「60歳以上の医師は引退せよ」なんてやると、ただでさえ不足しているそうなのでパニックになるでしょうが、だからといっていつまでも好き勝手やらせるのもねえ……。

 後ろ向きに愚痴るより、できることを探してやっていく。それしかないと考えています。
 ……はは。
 それで何もしないってのもよくある話なわけで、それじゃ厚生労働省の<不作為>役人に文句を言う資格なんて、ありませんね(´ヘ`;)。
 面倒だ、疲れると言っている間に、雪ダルマは勝手に大きくなっちゃうわけで、ううううん。なんかしましょ! 

投稿: (管) | 2009年6月12日 (金) 09:38

御無沙汰しております。

昨今はやりのBOTですが、日本でも今年・来年にDPP-IV阻害薬やGLP-1アナログが上梓されるようなので、2型の薬物治療に関してはドラスティックな変化があるのかな~、と眺めております。

GLP-1にはβ細胞の分化・増殖を促す作用がある可能性がありますので、自己分泌があるうちに使ってみたいのですが、保険適応は2型糖尿病とのことなので何かウラ技が使えないものかと模索しています。

投稿: saka10 | 2009年6月12日 (金) 12:01

 おお、こちらこそごぶさたですsaka10さん。
 まったく無問題のご様子なので、そちらにおじゃましなくなって幾星霜……え゙ ! 
 いかに仕事中とはいえ、その低血糖はやばいっすね。
 美しき奥方を泣かせたりしませんように。
 
 基礎インスリン療法――BOT(Basal supported oral Therapy)については、杉本先生の記事が詳しいですが、ほとんどの2型タイプは、ひょうっとすると、これで間に合うようにも……思います。
 血糖管理がよく見えないミックス投与は論外ですが(´ヘ`;)強化インスリン療法(食後追加インスリン投与)を、カーボカウントしてゼロにできる方は多いでしょう。
 もちろん食べる量を(……カーボ量! これが見えていないと何の効果もありえない)我慢できるものなら! って前提があるわけで、Dr.バーンスタインの真似はそうたやすいものではなく……へへ、私はやりたくないです。加齢と共に、もっと分泌が減った場合は、インスリンを打って食べたいと思っております。
 もっとも今度のADAの記事を見たりする限り、少々の食後高血糖より、低血糖の方が心疾患へのリスクは大きそうに見えます。
 1型のsaka10さんたちには申し訳ないのですが、私は、合併症の兆候が見えない限り、たぶんこのまま打たずに墓場へいけるんじゃなかろうかと思っています。
 高血糖化してほぼ10年。
 そんな甘い考えでいたら、飛蚊症ならぬ、飛<蠅>症!
 でっかい異物が視野に登場してあわてました。
 血圧は安定しているし、まさかと思いつつ、一般健診でボケの見落としでもあったか? と、やな気分でしたが、「あ、歳のせいですよ」と若い女医さんにあっさり言われちゃいました。
 安心したような、不愉快なような……そんなもんだろうなあと……じっと、鏡を見る(´ヘ`;)。

 美しい(あは、誰が見たって、こりゃ問題ねえや……)私の眼底写真をそのうちアップします。
 ただいま、記事を作る意欲減退中なのです(´ヘ`;)

>GLP-1にはβ細胞の分化・増殖を促す作用がある可能性

 すいません。ハンモックさんのコメントにもありましたが、これの詳細説明って、どこにありました? 
 ついでの時にでも、アドレスをお教え下さい。
 「……らしい。……だよ!」って二次情報(伝聞)が、意外と増えているのは見つけましたが、ちゃんと機序を解説しているサイトが見つかりません。アメリカではもう10年以上の実績があるわけで、本当にそうであれば誰か書きそうなものですが、英文サイトがあるのかなあ? 
 ちなみにこの製品の国内特許も押さえられているのも見つけました。
 そこにそれらしい目的があるってのはわかりますが……うまく行けばうれしいけど、まだ、一人歩きじゃないのかしら。

 【発明が解決しようとする課題】
【0014】本発明の目的は、非インスリン産生細胞と、GLP-1またはExendin-4、GLP-1またはExendin-4に実質的に相同なアミノ酸配列を有する増殖因子、およびそれらのフラグメントからなる群より選択される増殖因子とを接触させる工程を包含するプロセスにより作製されるインスリン産生細胞の集団を提供することによって、先行技術の有する上記の問題を克服または低減することである。さらに、非インスリン産生細胞をインスリン産生細胞へと分化させる方法が提供され、この方法は、非インスリン産生細胞と、GLP-1またはExendin-4、GLP-1またはExendin-4に実質的に相同なアミノ酸配列を有する増殖因子、およびそれらのフラグメントとを接触させる工程を包含する。さらに、インスリン産生細胞の細胞集団を富化する方法が提供され、この方法は、細胞集団と、非インスリン産生細胞のインスリン産生細胞への分化を促進する増殖因子とを接触させる工程を包含する。

投稿: (管) | 2009年6月13日 (土) 00:16

 ふと、思い出しました。「アスク・ドクターズ」・・・って自分は未登録ですが・・・。カステーラさんが「すずらん」さんの「治験参加」に「嘔吐」の感じを訴え、こりゃ、プラセボっぽく無いな「当たり!」なレポートを読んだ記憶があります。
 但し、未登録ゆえに僕自身、その先に入り込めません。
「すずらん」さんは「バイエッタ」の治験に参加した模様ですが、その後の追跡が難しくもあり、何より、すずらんさん自身が現在、幸せそうで何よりな状態です。

投稿: ハンモック | 2009年6月13日 (土) 21:56

 こんにちは。
 私が最初に目にしたのは確か2007年1月河合氏のサイトだったと思います。
 で、"GLP-1 islet transplantation"でPubMedを検索すると色々ひっかかってきます。「げっ歯類で・・・」ってやつもPubMedでひっかけたハズなんですが、どれだったか思い出せません。すみません。

投稿: saka10 | 2009年6月15日 (月) 12:42

 あら、見逃していました。
 ありがとうございます、saka10さん。
 
 可能性はあるように見えますが、つまりは統計処理で、病理学的証明じゃないわけですね……。
 あれから2年以上たっているわけですよね。続報があってもよさそうなものですが、この記事を読む限り期待しちゃいますよね。

投稿: (管) | 2009年6月15日 (月) 14:09

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