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2008年6月 7日 (土)

日米における<栄養士>の概念の違い

 著者は東京慈恵医大付属病院の柳井管理栄養士&栄養部部長。
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 むかし、むかし佐伯先生というえらあい学者さんがおったげな。

 毎回食完全(EMP:Each Meal Perfect)理論。

 この概念が成立したのは、1924年(大正13年)頃なんだそうだ。1日3食、それぞれの食事ごとに必要栄養素を3等分したものを摂るべきである。
 ……学者の考えそうな理論だ(´ヘ`;) メシ代は誰がもつんだ? 

 まだ日本が貧乏で、若い娘が原宿で洋服を選ぶどころか、吉原へ売られるような時代。フィリピンかタイ。あるいはちょっと前の韓国みたいな社会では、食べたカーボを中性脂肪にして貯えふくよかになるなんてありえない。
 乏しい現金収入で健康を保つにはどうすればいいか? 
 最小限、カーボ/蛋白質/脂質のバランスを確保すべし! 
 それを掲げた佐伯ピラミッドは、それなりの意味が当時あったのだろう。しかし、それに基いた<新時代のフードガイド>だあ? 温故知新ならいいけど、温古自縛(古いものを抱きしめて、それに縛られる)してどうする! 

 GI(グリセミックインデックス)の概念も、2005年USDA(アメリカ農務省)の<フードピラミッドはやめました。これからは、各個人ごとのマイピラミッドの時代です!>って概念も紹介されている。
 なのに、どうしてこうなるの?  

 1日2000kcal カーボ310gを標準食に決めました。

 根拠は調査総数11,106人の摂取平均エネルギー量。
 (男)2138kcal (女)1724kcal
 健康なのか、病気なのか、病気予備軍なのか? そんなことは知ったこっちゃないらしい。
 そして―― 
 インターネットで調べたフードピラミッドでは、具体的な量がわかりづらい。いろいろ議論した挙句、卵1個が50gだから、それを基準に作ってみました。

 (´ヘ`;)

 いつも食べる食品量から、1単位(80kcal)とした糖尿病食品交換表の方が、まだ理論的。ここには、鉛筆をなめて都合が良かったって論理しかない(´ヘ`;) まさしく数字をもてあそんでいるだけ。

 現役栄養士さんいわく「私たちのバイブルになるはずの本で、たぶん、買わされる……」
 栄養学創始者である佐伯先生に、慈恵医大創立者であるビタミンの高木先生は確かに偉大だったんだろうけど、番茶も出花の乙女たちにジジイのホメ話を読ませるのも、どうかと思う。
 あまりにも噴飯(ふんぱん――口からごはんを噴き出す!)もの!
 国立独立行政法人栄養研究所ってのは、私たちの税金でメシを食っているはず。仕事するふりして給料をもらうのを税金泥棒って言うんだぜ。
 ねえ、永田町の皆さん! 
 とはいえ裏づけするのは厄介。結果的には、犬死状態だけど、末端の方々の思いが一所懸命であることには間違いない。アメリカ事情が羨ましいけど、どう書けばいいのかわからない。困ったもんだと思いつつ、これまで記事にしそこなってきた。……あ、それに表に出ているのは慈恵医科大学の面々。推薦している渡邉理事長だけがボケているとしか見えない。
 とりあえず、一政晶子さんのサイトを紹介しておくのが精一杯……。
 ここへ来て、引用できる文章を書いてくれた! 
 カーボカウンティング実践ガイド巻末 討論より
 

一政 米国の栄養士は医療の専門家としてスタートしたので、必然的にその役割が違います。(略)専門分野は「臨床栄養」「栄養教育」「給食管理」などにはっきり分かれて(略)病院栄養士は給食管理にほとんど関わることがありません。(略)米国の大学では、食品学、調理学、食品加工学、調理中心の給食実習などは学びません。代わりに化学や栄養学をとても細かいところまで勉強しますので、完全に理系の学科です。

 これは日本であれば薬学部をめざすようなもの。
「調理士と栄養士の免状を取ってぇ、フレンチの店を開くのが夢なの(^_^)」なんてお嬢さんが、亀の甲と格闘するわけがない。
 カーボカウントへの道……にも登場したカーボカウント完全ガイド監訳者の佐野喜子さんの説明も興味深い。
 私としては、深い絶望を感じるばかりだけど(´ヘ`;)
 
佐野 栄養士の弁護をさせていただくと、わが国の管理栄養士の配置基準はどこの施設でも栄養指導のためでなく、給食に対するものであるということです。(略)栄養指導のノウハウは(略)一昔前の栄養士養成においてはまったく教わるチャンスがないまま、免状をいただきました。

 その割りに、栄養指導が居丈高で行われ「食事指導が不愉快だから、糖尿病の通院はしたくない」って声が多いのはどうよ? 
 ……とはいえ背景事情を知ると、あまり日本の栄養士さんを責められない。日米の状況の相違でわかるのは「給食のおばさんに高給を払う施設なんてありえない」ってこと。しかも、血糖値測定が医療行為であると日本では規定されているので、栄養指導の成否を直接知ることができないという難題がついている。
 医師の尻馬にのって騒ぐしか、できることがないなんて……なんて仕事だ(´ヘ`;) かわいそう。

(6/8追記)
 そういえば東京慈恵医科大付属病院といえば隠れ糖尿病の心筋梗塞患者に仰天した西村講師のお膝元。24時間血糖連続測定で認識が変化する? 
 あんな能天気な食事管理術を語っているくらいだから、残念ながら、まだまだ守旧勢力の方が強大だってことかもしれない。カーボの話がでてこなかったもんなあ……。

(6/25追記)
 トラックバックされた新ブログ<栄養士試験、資格なら>が、ちょうどぴったりな内容で、興味深い。
 
 <反面教師>というか、日本の栄養士制度が、病態治療向けというより、健康人がより健康であり続ける為に仕事する――つまりは、飯炊きオバサン以上でない理由を証明しているようなもので、私の記事にとっては都合がいい文章。
 ってことは、ここにトラックバックして、リンクするのは、この方にとってはマイナスとなる……なのに、なんで? 
 栄養士をめざす為の情報を、けっこう一所懸命書いている。
 ご本人も受験中で、心境整理目的なのかしら……。
 みんなに読んでもらえるようにする為には、Googleサーチのランク上位にいる必要があるから、トラックバックによるリンク効果は大きい。<インターネットで副収入(^!^)>の世評に踊らされてブログを始めたはいいが、アクセスがない。で、あちこち調べると、SEO対策上、そうしろとアドバイスする本やサイトが多い。
 ネット広告の手数料は知れたものなので、よほど高額商品(不動産、海外旅行、語学研修パックetc.)の販売促進に役立つか、廉価商品の大量販売に関わらない限り、スズメの涙以上の収入にはならない。
 (健康食品は、価格が魅力だけど、量がでないんだよね……)
 で、懲りない人が、平均するとほぼ1日1件やってくる(´ヘ`;)。
 ブログ上に、クリック広告へのリンクが満載されているのが普通――この場合、即時削除&出入禁止(IPアドレス制限)。
 それがない!
 ……単にリンクの貼り方を知らないだけ?
 ちなみに、そうした指導書を売っている人は、全額収入になるので、それで十分食べていける以上に儲かっている。
 <ケイコとマナブ>商売が儲かるってのは、リクルートの繁栄ぶりを見ればわかることなんだけど、都合の悪いことは読まないんだよな。知りたくもないのか? 
 たぶん、この記事も中味を読んでいないんだろうな(´ヘ`;)
 ブログは意見の交換をするためのメディアだって趣旨が、まるで浸透していない(´ヘ`;)
 語りたい人はいっぱいいるけど、人の話を聞く人はほとんどいないってのが日本社会の最大の問題点だと、私は思う。
 本気で意見を述べようと考え始めれば、自分って何?
 そこに至るはずなんだけど、その前に切れちゃう人ばかり。どうしたらいいんだろうね。
 閑話休題。

>また9科目の中でも「傷病者への栄養指導」の内容が
>含まれる臨床栄養学が重視され、
>出題数が大幅に増加しているべ。
>臨床栄養学は苦手科目とする受験生が多く、
>得点差をつけやすい科目となってるけどささ

 おかげで年々合格率が下がっているらしい。当然。
 これで病態対応が期待できるかといえば……それも疑問。
 そんな実態が見えれば、このトラックバックを受け付ける意味はある。そういうわけで、左側にリンクされているが、この勢いのパターンだと、あと数回で書くことがなくなるだろう。で、数ヵ月後リンク切れってことになるはず。
 飛ばなかったら、ここにコメントよろしく。消去します。

 名前のわからない管理人さんへ
 (記事内容に関係ないなら、コメントくらい
  してくれれば、応対のしようもあるんだけどね)

 この追記を読んで、むかっとしたら、違う角度から栄養士業界の実態を見つめてみてください。
 若い時期に資格取得可能ですが、逆にその分、今の日本では、経験年数加算は事実上ないと思った方がよさそうです――つまりは永遠に薄給状態。
 給与改定をめざすなら、栄養士や管理栄養士を管理するなどの役につくしかありません。栄養学の知識は、現時点では、わかっている重要なものは数少なく、その意味では、知識などなくても(人を管理する)管理職になれます。業界トップ(?)国立健康・栄養研究所の理事長がそれを証明しています。
 本気で臨床栄養学に関心があるなら失礼の段お許し下さい。
 その場合は、アメリカ留学をお勧めします。
 資格取得には、あなたの記事の数倍以上の努力が必要なようですが、先々の投資としては有効でしょう。少しラクチンな日本では、厚生労働省が予防医学重視に方針転換し、医療保険点数を革命的変化させない限り、取得しても、当分収入にはつながらないでしょう。
 本を書くなり、栄養指導教室を開くなり、本業とは違う<ケイコとマナブ>商法をすれば儲かることもあります。
 だったら、資格取得する意味はあまりないんですよね。
 看板としては、必要ですが、そこはそれ、持っている人と共同で商売すればいい。<志>より<飯のタネ>金儲けってことなら、それが常道ってもんです。
 淋しいけど、それも人生です。

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コメント

 たくさんのエントリー嬉しいです。
 私は短大で食物栄養科を専攻して、殆ど白衣姿で過ごしましたが、殆どが調理に関わることでした。高校の先生が「花嫁修業に行くようなもの」と言った所以ですね。
 化学実験や食品衛生で白衣を着る時間は少なかったです。(白衣はちゃんと分けられていますよ)
 病態栄養の授業時間も、亀の甲も申し訳程度・・・?
 卒業すれば与えられる栄養士免許ですが、それを持って公務員試験を受け市民病院の栄養士になった友人は、調理場の人事に何より悩んでいた気がします・・・
 佐野さんの説明は全くその通りで、卒業後の進路を考える時、集団給食そのものが嫌になっていたこともありますが、この程度の勉強で、医師の指示の元にしろ、患者さんの食事箋を考えるのはそら恐ろしいとも思いましたし、何より、この程度の頭の者がそれに携わるのもそら恐ろしいことと思いました(汗)
 病院栄養士になった友人は、真面目で成績も良かったし、後に管理栄養士の免許も取得しています。現在、彼女とはお付き合いがないのですが仕事は続けているはずなので、糖尿病の食事指導について話を聞いてみたい気も・・・
 彼女には誰にも言ってない病気のことを話し、カーボのことを話しあえれば、その病院だけでも何かが変わるのかしら・・・その病院から何かが広がるかしら・・・
 修業年限+実務経験5年ないと受験資格のない国家資格の管理栄養士も、その実務経験の内容はYCATさんがご存じの通りで。
 その受験資格も管理栄養士養成校(4年制)卒業者のみに与えられる動きになっているそうです。

投稿: knacke | 2008年6月 9日 (月) 00:59

 knackeさん、情報ありがとうございます。
 これは制度の問題――つまりは政治の問題です。考えれば考えるほど、情けなくなるので、今のところはこれ以上何も言いたくない心境(´ヘ`;)です。

投稿: (管) | 2008年6月10日 (火) 00:35

 「温古自縛」
 YCATさんが作った言葉ですか?私も使ってかまわないでしょうか。以前、似たような言葉を使おうと思って考えたら、8~9文字ぐらいになってかっこわるくボツでした。

 国の方針である、食育もまさに温古自縛。
明治時代に作られた概念持ち出しちゃってます。

 因みにどらねこですが、栄養士免許は専門学校でとってます、大学は一般教養系です。
 授業内容ははっきり言って○○です。←はっきり言ってないじゃん。
 少なくとも学問でないものがほとんどでした。

投稿: どらねこ | 2008年7月27日 (日) 12:05

 遅レスすいません。どらねこさん。
 おやじギャグですが、誰も使ったことがないようです。ご随意にお使い下さい。
 ……実際、このパターンは多いです。司、司で<役>にいるから、役人は当然ですが、組織が安定すればするほど、そうなっちゃうのは、人間心理として普通なのかもしれません。
 <君子>は自在に豹変すべし! ってのが、養老先生の銘なんですけど、朝令暮改はたしかに迷惑でもあるのですよね。
 ま、例によって、中庸が肝心ってことでしょうが。

投稿: (管) | 2008年7月30日 (水) 17:58

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