動脈硬化の文学的考察
動脈硬化の病変進行は、とてもややこしい。
様々な要素が絡み合って、ゆるやかな時間が流れているから、神様の目でもなければ、とても一目では見渡せない。だから解説書は<だろう>に<とされる>ばっかりだ。
東邦大学医療センター
白井糖尿病・内分泌・代謝センター長
「動脈硬化を知る」(さかえ2007/10月号)は、
2005年刊「糖尿病と動脈硬化」を踏まえて、一般向けにもそこそこわかりやすい。
亡くなられた方のボロボロ大動脈写真(図3)は、まさしく腐った下水管を思わせる。
「生活習慣を変えなきゃ、いずれこうなる!」
脅し威力たっぷりで、私も教育入院中、これのプラモデルを見せられて、ギョッ!
教育効果抜群!
糖尿病と動脈硬化の成り立ち(P14図2)は、動脈硬化最終形態を図解したもの。こうなっては、血が流れにくくなり、ほぼ手遅れ。
動脈の狭窄(きょうさく――せばまった所)部にステントを入れるなり、血栓溶解剤の投入検討なりの対症療法が必須となる。
そうならないためには、血圧管理、コレステロール管理、血糖管理を一般健常人並みにしなければならない!
そう脅された鶏アタマには、しばらく残っているはず。(たぶん)
素人が、ない頭をしぼって考え余計なことを言ってもしょうがない。
「持っている人は、改めて読んで下さい!」
それでいいわけだし、そもそも他人の問題。無自覚なキリギリスなんか勝手にしろなんだが、なんだかなあ(´ヘ`;)って想いがある。
空は、いつ落ちてくるのか?
リスクは回避するに越したことはない。だが、無菌室で生涯を過ごすわけには行かないが人生だ。
もう一本の記事の資料用として、多少、正確性を犠牲にしてでも(追いつかないのだ!)、病変の推移を語ってみようと思う。
白井先生の記事は、紙面容量的にも単純なマスコミ記事より有効だが、もう少し詳しい方がいいし、患者サイドの思惑も、対応検討材料になる? 無理かな?
■注■そう的を外してはいないつもりも、なにせ複雑すぎる話。
シロウトの意見など聞きたくないって方は、読まないで
下さい……それに長いよ(´ヘ`;)。
読んだ方も、まるごと信用したりしないように。
間違っているとか、こう言った方がいいとかの指摘は
歓迎です……誰も、してくれたことがないけど(´ヘ`;)
内容が少し古びているが、国立循環器センターの循環器病情報センターの知っておきたい循環器病あれこれ[21]動脈硬化も参考になります。
全体像をつかむのは大変だし、もういいやって無視or全面降伏して怯えてしまいかねないのが、欠点だよな(´ヘ`;)やっぱり。

人間の目で見分けられる厚みは、目のいい人で200μm(0.2mm)と言われている。普通の家庭にある一番薄いものといえば、サランラップ。その厚さは25μm(0.025mm)だ。
血管壁は、基底膜を含めてたった5μm。1/5でしかない。
そこを7-8μm長の赤血球が流れている。
金属やコンクリートなど硬い材質の下水管とは違って、生体である血管はゴム管をイメージすることが多い。柔軟性がなければ、体から突き出しちゃう。
これが壊れる、破れるってどんな場合?
切れば、千切れるのは誰だってわかる。
じゃあ高血圧で破裂するってのは、どの程度の速度なの?
高血糖――糖化蛋白って、どの程度硬いものなの?
冠動脈は4車線orひよっとしたら8車線くらいの道幅があるみたいだけど、いつも満車走行状態だから、硬くて危険なら、糖化蛋白がないに越したことはない。
毛細血管にいたっては、赤血球本体より細い場合がある(つぶれアンパンは、そこをくにゅくにゅっとすり抜けていく!)
しかし健常人でも、赤血球全体の4.8%程度は、糖化蛋白になっている。そうでなければ、人体の代謝は機能しない。
実際のところ、壁の内側にある血管内皮は、いつだって傷ついているのではないか?
なにせ細胞一枚分の厚さしかない代物なのだ。百聞は一見にしかずに掲載した写真も裂け目だらけだ。
ストレスによっても、内皮は傷つくとの説がある。
交感神経が興奮してカテコラミン(副腎ホルモン)の過剰分泌が起こるとそうなるらしいが、どうやって?
傷つくって言うから、スピード(血圧)、衝撃(血糖量)のような物理的衝撃が危険なように思っていた(私だけか?)が、自己分解して、勝手にほどけちゃう化学的変化の方が主要現象か?

2005年刊ジョスリン糖尿病学14th第2版
第52章糖尿病における心血管疾患の病態生理
(む、難しい)を読んでいると、血管内皮は、日常的に、毎分毎秒傷ついているように読める。
循環器情報センターが20~30年に及ぶ沈黙の「動脈硬化の進行」があったと言う背景がそれくさいが、そこまで言いきっている文章はどこにもない。でも、いい加減なくせにバランスを保つことにかけては奇跡的な人体構造を思えば、その方が自然な気がする。
破れた内皮の内側に、将来アテローム(粥状異物)の種になるバクテリアファージが、やってくるのもごく自然な推移だろう。いつも、うろうろしているからこそ警察は異常事態に対応できるのだ。電話で呼んでいちゃ間に合わない。
あらら、培養内皮細胞を5倍の濃度のブドウ糖液に浸すと、細胞間透過性が高まる――破れることなく、ファージが侵入するって研究もある(p976)、やあね。

本格的戦争状態(動脈硬化&高血圧)以前の、嵐の前の静けさ状態?
いいや、そうじゃなさそうだ。
これは誕生してからずっと続いているごく当たり前の生化学現象のような気がするぞ。
考えるべき焦点は、それをどこまですばやく修復できるか?
そっちの方が重要なように思える。
食事療法については、とんちんかんで古めかしい発言露出が多い、東大門脇教授の専門である脂肪細胞組織群が、生体内で有意義な活動をしている事実がわかってきている。

編集委員をつとめたこの本は、脂質関連の記事が、カラー図解付で豊富。
さすがにわかりやすいって言いたいけど、どっちにしろ簡単に手に負える代物じゃない(´ヘ`;)
その一種であるアディポネクチンが健常値より異常に少なかった立花隆さんは、案の定、膀胱癌だった(´ヘ`;)
閑話休題。
代謝機能が健全――人体環境の恒常性(ホメオスターシス)が保たれていれば平和(病気にならない)。代謝(メタボリズム)のバランスをとる物質の存在がやっと見えてきた段階。それがいろいろたくさん存在する状態――修理が追いつく体制になっていることを、<若い肉体(からだ)>と呼ぶべきらしい。
それにしても、多少の齟齬(そご)は無視しちゃうわけだから、やっぱり、あんたの創ったものはスゴイよ、神さん!
もう少しわかりやすいとうれしいんだけどさ(´ヘ`;)。
脂肪を乗せた“バス”(リポ蛋白)と高脂血症の関係で説明されているように、もっと細かいVLDL(超低比重リボ蛋白)の方が主犯だとの見解から、その元である中性脂肪の増加が危険視され、HDL(高比重リボ蛋白)は、その両方を拾い上げ回収する存在だから、多いに越したことがない。
疫学的にも、実験室レベルでも、これはほぼ定説化してきて方向性としては正しいようだ。油滴(脂質)を血液になじむように蛋白質で包んだものがリボ蛋白。
大きな油滴(HDL)が、より小さい油滴(LDL,VLDL)を吸収するのは、小学校理科的感覚でも納得できる。
でも、これで即血管がつまるわけじゃないのが厄介な話。
運営主体がよくわからないが脂質と血栓の医学にもあるように、それが酸化するかしないかが問題らしい。コレステロールは、少なかったら死亡率が増大することでわかるように、生体には必須の物質だ。おそらく血管の修復にも、重要な役目を担っているはずだ。
(日本の)栄養士さんの金科玉条<危険なアブラ>も、ここではもっと複雑な姿を見せている。もっとも「取りすぎに注意」じゃなく「三種類をバランスよく摂取すべき」が専門家の常識らしいけど。
飽和脂肪酸は粘つきやすいから危険視されるけど、サラサラ血液をつくるといわれる不飽和脂肪酸って、サンマの足は速いって言われるとおり、酸素にさらされるとすぐ酸化しちゃうんだよね(´ヘ`;)
摂取効率が悪いとけなされながらも、ナッツ類を食べている地方の死亡率が低めなのは、脂肪の種類が問題ではなく、酸化防止のビタミンEの含有量のせいかもしれない。
不死のファージはありえないので、いずれ死ぬ。
排除されるか分解するはずのそこに、いろいろゴミが付着してアテロームが形成されてしまう。その辺についての経緯を含め、化学的説明が満載(つ、ついていけない――視覚化できない限りシロウトじゃ検証不能)。
その段階に進めば、次はアテロームの上にできた血管内皮の内側での細胞増強作業が始まってしまうらしい。
余計なお世話だけど、それは血管保護業者の日常業務。
まるで道路工事の土木屋。予算があるなら、作ろう!
血管の内側が狭くなって流れが悪くなるから、物理的な圧力増大(高血圧)も始まちゃうんだろう。血管内皮の物理的破壊も増えるのかな? 当然、修復はさらに追いつかなくなる。
体内の環境バランス――つまり代謝異常はさらに進むはずだから、ホルモン分泌などにも異常がおき、石灰化なども起きて、血管壁の硬化はさらに進む。
材料が必要だから、体内でのコレステロール生産にも熱意が入る。悪夢の拡大再生産。役人は熱心なだけって……真面目は迷惑だ。

pHバランスが狂い出せば、活性酸素も血管内に増加し、恐怖の酸化で炎症発生。そこに血栓ができて膨れ上がれば交通止め――血管は死ぬ(´ヘ`;)
待っているのは、脳梗塞に心筋梗塞、腎不全に足切断。
動脈硬化の予防診断は難しい。
超音波エコーが有効だといわれてきており、去年も「今のところ大丈夫」と一般健診担当医は言ってくれたが白黒のぼんやり画像で、どれだけわかるかの? って感じ(´ヘ`;)
立花隆さん情報「見えないものも見える」検査技師さんが存在するような、名人芸が必要な世界じゃ、どうしたって見逃し不安を消せない。
白井先生によれば、診断法は、大別すると二つの手法に分かれる。血管外形検査のもうひとつは、マルチスライスCTで、その進化は著しい。でも、これは手遅れ診断だよな。
もう一種類、血管機能(弾性)検査がある。
こっちで、CAVI(心臓踝(くるぶし)血管弾性指標)測定が、相当有効と認められてきているらしい。2005年刊「糖尿病と動脈硬化」にも執筆しているから、第一人者なんだろう。
今度、主治医と相談する価値はありそう。
「やることをやったんだから、もうオシマイでいいじゃん。永久活動保証なんてしてねえ」
設計者は、ぼやいているかもしれない。
治安当局(医師)は、公式見解を述べるだろう。それが仕事だ。
「神のつくりたもうたものを壊さないのが、僕(しもべ)の責務です。
いつも温和にストレスを溜めず(内部活動を控え)、
必要十分最小限度部品補給(栄養素の精密計算摂取)して、永遠の生命を確保しましょう」
脳梗塞や、癌のタネ的ポリープが、発見されたら、普通の人は驚く。もう余命がつきたような恐怖。
でも、天寿を全うされた方たちのご遺体を解剖してみると、けっこうたくさん存在していたりするんだよね。
何が正解かなんて、まだわからない。
「そんなことをしたら先生にいいつけるわよ」
ああ、万能の先生が存在した小学校時代がなつかしい。
づがれだ。何をやっているんだ、俺は(´ヘ`;)
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コメント
動脈硬化が起こるその過程~血栓の発生、瘤の形成、解離
・・・ぶるぶる恐すぎます。
>全面降伏して怯えてしまいかねない
おっと、こうならない為にも、この記事を書いて下さったのですから。
これらを文字だけで理解するのは、私にとっては不能。
読んで図を書いて・・・矢印引っ張りながら・・・が必要です。
全てはまだ理解できていないけれど、絡み合ったプラスとマイナスの作用の一つ一つに囚われるのではな、総合的に見る考えることが必要なのでしょうね?(?付けとく)
キリキリし過ぎても、それ自体も悪影響みたいですし。
ぼちぼち・・・の意味はここにもありますか。
CAVI(心臓踝(くるぶし)血管弾性指標)測定昨年の夏にやりました。
若くもなく~老いてもなく~実年齢にドンピシャで
嬉しくもなく~悲しくもなく~って気持ちでした。
自律神経のコントロールがやや劣っていると出ましたが、自覚症状がありません(汗)
投稿 knacke | 2008年5月 8日 (木) 22時21分
>CAVI(心臓踝(くるぶし)血管弾性指標)測定
ほほお。専門医のところで? いくつでしたknackeさんは?
一般健診ってことはありえませんよね?
二番目の先生のところだったら、ちゃんとリスクを把握していたってことになります。
あれから、おしゃべりしました? やっぱり専門家は味方にしておくべきです。この記事をお読みいただければ、尚更、ひとりじゃ生きられない。それを痛感しませんか?
知ったかぶりは、見破って撃破する必要がありますが。
投稿 (管) | 2008年5月10日 (土) 15時46分