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2008年5月24日 (土)

ヘモグロビンA1c5.2%でも、ひっかかる?

080501_metabo さかえ5月号の投書欄で、55歳の女性に伴野編集長が恐るべきコメントをしている! 
「4月からの「特定健診」では、ヘモグロビンA1c5.2%以上が保健指導の対象となるようです

 ぎゃあ! 

 言葉足らずだよ編集長(´ヘ`;) 看護士で、かつCDE(糖尿病療養指導士)でもある本人は、ちゃんと調べれば大丈夫かもしれないが、他の大勢の(そそっかしい)人も見ているんだ。それじゃ<医原性>糖尿病性うつ病を増やしかねない。

 投書によれば、ご本人のデータは下記の通り。
 身長は153cm 

07/10 体重60kg(測定日不明確) ヘモグロビンA1c5.7%
08/03 体重55kg(測定日は推定) ヘモグロビンA1c ?

 去年のBMI値は 25.6 → 今年は 23.4

 よかったねえ、引っかからずに済む。
 社会保険事務所からの資料を読むと、第一関門は、ウエストサイズ。そしてBMI25以上をつかまえようとしている。
 去年の数値だったら、この方は、自分で自分を管理、指導する羽目になっていた。23.4にまで、ダイエットできたので一安心ってところ……油断するとリバウンドするぜ。

 この記事をアップせず、もたついていたら、新聞、雑誌、TVとあちこちで「特定健診」記事が氾濫。4月スタートだから? それとも国会の混乱による予算停止の影響もあったのかしら? 
 いずれにしろ、本格的戦闘は数年後になりそうだ。
 日経Trendyの記事が象徴している。

同社がこの2月に行った「メタボリックシンドロームに関する意識調査」によると、40代男性の6割、40代後半に限れば73%もの男性が「自分はメタボまたメタボ予備軍」だと考えている。にもかかわらず男女ともに4割以上が「メタボ対策を何もやっていない」。潜在市場が大きいことは確かだろう。「春の健康診断の結果が出たところで、『自分は1食に○カロリーまで』と意識する男性が増える。脱メタボ商品が本格的に動き出すのはそのころからではないか」(サークルKサンクス)

 時代がカーボカウントを呼ぶか?にも書いたように、かくれ糖尿病はたくさんいる。
 ヘモグロビンA1c5.2%達成で「糖尿病がなおった」なんて勘違いをする方は多い。たかが直近120日平均でしかない。
 病み上がりのすい臓が、食後高血糖頻発でインスリンを大量に分泌して最後の戦いをしていたりすることに、まったく気がつかない。
 自己血糖値測定の価値はここにあるが、他にも代謝が反映する――それがウエストサイズであり、BMIであり、血圧であり、中性脂肪量であり、HDL(高比重リボ蛋白 これすてろーる)なのだ。
 動脈硬化による突然の心疾患(大血管障害)もあるし、結果として、すい臓ベータ細胞完全壊滅。ある日突然血糖値が下がらなくなるってのも、よくあるパターンだ。
 二度目の糖尿病宣告は重症。
 のど元を過ぎれば熱さを忘れる。それが人間って奴。
 鎌田先生いわく「ちょいメタが健康」などなど、いろいろ文句がついているが、自分の体の経時変化を知る――検査する意識を持たせるだけでも「特定健診」には意味がある。 
 
すでに女性たちは動き出している。だが、当のメタボ予備軍だけが腰を上げない。これが、今のメタボ市場の現状のようだ。

 ……なんだよなあ(´ヘ`;)
 血圧管理の安全基準がどんどん厳しくなっており、それは薬品業界をうるおすのが目的だなんて批判も目につく。
 ヘモグロビンA1cも、5.2%(正常人の管理値)でもダメとなれば、こっちも商売のチャンス? 
 かんぐってばかりじゃいけない。
 将来的に合併症を防いで、腎透析などの高額医療費の削減、ひいては、国民の命を守ろう! 
 官民の医療を司る人々の狙いが善意であることを疑ってはいけない。
 問題はやり方にある。
 中原英臣先生がこぼしているし、米山公啓先生もいうように、病気を発症する原理を知っていれば応用がきくなのだ。
 根本である代謝原理を追及せず、対症療法(薬物)だけに頼ろうとする患者本人と、それをサポートする体制の不備が、薬品業界の利益を産むことになる。
 サプリメント商売が儲かるのも同じ原理。イワシの頭も信心から。
 
 企業関係――健保組合があるところには、ペナルティーがあるのが、今回の制度の特徴。自分からは動かない大きな子供をしつけるには、必要だって判断はわからないでもないが、やっぱりカーボカウントのにほい?に書いたような事態になりそうだ。
 せっかく因果関係が見えるようになったカーボカウントをうまく使えば、適切なサポートができるはずだが、さてどこまで情報が広まるだろうか? ゲシュタポ総務が、デブ逮捕! ならまだカワイイ方で、大企業では書類選考段階で、BMI値が求められそうだ。
 最大の問題は、社会保険事務所が管理する中小法人勤務者。そして市町村が管理する国民保険対象者。
 ムチがあろうがなかろうが、指導する人が足りない! 
 頭のいい人が考える案って、善意いっぱいだろうと、なぜか底が抜けていることが多い。官立大学卒の士官には、国民学校中退のベテラン下士官をつけるって皇軍の伝統には意味があったんだろう。
 もっとも、これって世界共通みたいだけど。

 役に立たない<カロリー管理>を押しつけられる指導対象者もつらいが、竹槍で攻めるには、村八分か非国民と強制する教育的指導しかない保健師の方々はもっとせつないだろう(´ヘ`;) 医療じゃなく、宗教活動なんてやりたくないよなあ……。

 ……なんだかなあ(´ヘ`;)

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コメント

 こんにちは!
 その後も変わりなくお元気ですか?
 さかえの4月だったか5月号だったか???ですが・・・医者の誰かが、糖尿病の食事療法の点で、これからも今までと変って行くことはないだろう・・みたいな文章がありました。
 ちょっと残念に思いました。
 さかえにカーボカウントの特集なんて出ることはあるのかな~?
 なんだか~まだまだ難しい状況なんでしょうね。

投稿: ちょここ | 2008年5月30日 (金) 09:54

 レスが遅れてごめんなさい、ちょここさん。
 ちょっとは動きがあるようです。忙しい先生は、いつまでたっても情報をさわりません――それですぐ死ぬわけじゃないのが、代謝異常です。整骨医と並んで、おいしい商売ですね。
 杉本先生の本は、本日入手予定です。今週中には記事にできると思います

投稿: (管) | 2008年6月 2日 (月) 10:04

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