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2008年4月25日 (金)

良貨は悪貨を更正できるか?

 おとなになったら世界はもっと単純になり、なにごとも色分け可能だ。そう思っていられた少年時代がなつかしい。勉強すればするほど、世界は多色刷りとなりブラックアウトして、境界線などどこにも見当たりゃしない(´ヘ`;) 
08041301 言っていることがころころ変わると
<食言>と非難されるが、明快に語れる現象などごく一部に過ぎない。
 さりとて語らねば伝わらない。
 枝葉をばっさり落として立場を決めねば、そもそも語ることすらできない。

 講談社+α新書
 日本の「食」は安すぎる
 「無添加」で「日持ちする弁当」は
 あり得ない

 すでにブログに書かれていることを含め、ここには食材についての本当の情報がいっぱいある。知る人ぞ知る現場情報は、一読の価値がある。出版不況(無駄な本が多すぎる!)の中で、版を重ねているのは他人事ながらうれしい。
 でもちょっと無理だよ、山本謙治さん(´ヘ`;)

 やまけんの食い倒れ日記ブログは、豊富な情報とジューシーなコメントで人気だが、それ以上に興味深いのは、彼が本業で農産物流通にエネルギッシュにかかわっていることにある。
 食料自給率どん底の無策農政を、この人なら、あるいは変えるきっかけを作れるのじゃないか? 
 消費者の目線で、生産者を鼓舞し、流通を革新する。逆に、生産者の立場から、消費者の目を肥やす……そんな期待を抱かせるのだ。

 なにごとにもコストがある
 松下幸之助さんの水道哲学は正論だが、それ以上に安い場合もあるのが、一般社会だ。不思議でもなんでもない。
 どこかをインチキすれば可能であり、この本では、格安ラーメンの謎も物価の優等生卵もその仕組みが書いてある。
 電気製品だって、仕入が盗品なら、松下さんなんか関係なく安く売れる。故買商が警察に逮捕され営業停止になるのが、この場合のコストとなる。
 安ければなんでもいい! 
 理念、哲学いろいろあるが、結局はそれが消費者の本音。ない袖は振れないって場合もあるが、舌が未成熟だったり、安全についての情報不足での行動は、まさしく安物買いの銭失いとなる。

 とはいえ健康を害するのは先の話しだし、美味探究の喜びを知らないなら、つまりは猫に小判。
 やっぱ安けりゃいいって消費者に、第5章 消費者の行動が日本の「食」を支える って言ったってさあ(´ヘ`;) 食料自給率を上げ、味もよくなり、生産手法が確立された飼料米で育てた鶏の卵は魅力的だけど、1個100円じゃ(心の)貧乏人は手が出ない。買い支える人が、この本でどれだけ増加するだろう?  

世界には、何を食べるか選ぶことすらできない人たちがたくさんいる。

 安かろう悪かろうで、最大多数の幸福を探す。
 or
 裸の王様に服を着せて、幸福選民の多数化を計る。

 書き上げるまで2年もかかってしまった理由はなんだろう?
 一筋縄ではすまない問題だからなんだろうね、やっぱり(´ヘ`;)
 食い倒れ日記の作者としてなら、これで十分。しかし裸の王様は、自分が裸であることに気づきたくないからこそ、いつまでも<裸>で暮らしているのだ。読みに来ない――情報デバイトさんに伝えるには行動が必要だ。
 ブログで、家内作業による少量美味生産を満喫するのはすばらしいが、いつもでもそれじゃただの美食家でしかない。
 そろそろもう一歩踏み出してもらえないものか(´ヘ`;)
 あなたには、それだけのカリスマ性がある。
 うらやましいほどの人脈も――いっそ政治家になった方が、早いかもしれない……。

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コメント

 スーパーマーケットが我々の暮らしに大きな利便性をもたらしてくれている事に、疑いの余地はありませんが、一方で、あまりにも大きい価格支配力(決定力)が、農業生産者の収益を圧迫しているという事もあります。
 この所、牛乳の卸値が、やっと10円上がりましたが、このうち生産者に反映されるのが3円。
 何故、値上げが必要かといえば、このままでは生産者が成り立たないからなのですが、値上げの多くが流通と小売のために消えてしまいます。
 スーパーでは「隣の店よりも、1円でも安く」という事だけが、アイデンティティのようです。
 販売しているものが、付加価値の低いガソリンならば、それも理解できるのですが、農作物の付加価値は、実のところ、販売者のマーケティング次第なんだと思います。
 食品の価格を支配しているのは、流通小売です。
 一見すると、それが消費者の利益に思えてしまいますが、スーパーマーケットの社会的責任は、「1円でも安く」する以前に、「安全で安心して」食べる事ができる食品の、「安定供給」だと思います。
 スーパーマーケットにも、大きな責任あり!…といいたいです。

投稿: sho | 2008年4月25日 (金) 08:02

 おはようございます、shoさん。
 スーパーの後ろに、おバカな消費者ありです。
 アメリカの民生電子機器市場においては、販売業者の方が圧倒的市場形成力を持っています。日本でもそうなりつつありますが、消費者の情報収集力が貧弱で、商品分析能力がないことが背景にあります。よって価格が購買決定動機の主因となります。
 昭和の昔と違って、今の日本の食材市場も同様ですね。アメリカ食材市場は、すずらんさん情報を見る限り、無知な消費者を助ける政策が進歩しているように思われますが、どっちにしろ大ざっぱなので、あまり参考になりません。

 牛乳も関係しているとは存じませんでした。
 私が愛飲しているのは、高梨の低温殺菌牛乳(1000ml)238円です。2ヶ月ほど前10円値上げされました。生産地岩手の葛巻町は、これで付加価値を高め成功しているような記事が朝日新聞に掲載されましたがどうなんでしょう。
 山本謙治さん同様に、それ以外は、まずいし、朝は温めないと下痢するので、牛乳は大嫌いでした。低温殺菌タイプを知って、なぜこれが普及しないのだろうと思ってもう20年近くなりますが、ひろまりませんねえ(´ヘ`;) 

>食品の価格を支配しているのは、流通小売です

 すいません。これは見解が違います。
 食品の価格を支配しているのは主婦でしょう。私のような独身道楽者と違って、1円でも安くだと思います。商品分析力のない消費者相手では、隣の店より安く以外の販売手法があるのかどうか……。
 いろいろ事件があって、これから消費者は高いものを買う。そう山本謙治さんは読んでいるようですが、どうでしょうか? 安全が、この国で金になる? 私にはとても信じられません。
 閑話休題。
 農産物の付加価値を上げる方法としては、雪国まいたけさんが行っているような、生産者による加工が基本だろうと思っています。流通にしても、中食化などの工程を追加しない限り、付加価値は上げにくいのではないでしょうか? コンビニの利益率がスーパーを凌駕している背景のひとつはそこでしょう。
 スーパーマーケットは、海外も含め、今後さらなる巨大化でバイイングパワーを増して価格勝負するしか生き残る道はなさそうに見えます。生産者が付き合うには、ますますいやな相手になりそうな気がしますね。
 身近な商品だけに、各地の中堅スーパーがどこまで生き残っていけるのか? コンビニ並みの夜間営業と社員の派遣店員使用によるコスト削減。なかなか楽じゃなさそうです。

投稿: (管) | 2008年4月25日 (金) 09:24

 YCATさん、大変興味深い話になっています。
 本来、ここでやり取りすべきなのですが、長くなりそうなので、後ほど、私のブログに書こうと思います。
 いずれにしても、この所、「食」の問題がクローズアップされてきました…。
 それであっても…、日本人は、一度痛い目(食料危機というような)に会わないと、何も変えられないような気もします。

投稿: sho | 2008年4月25日 (金) 09:50

 shoさん、この記事は、ブログの趣旨とは違いますし、そもそも私は当事者ではありませんので、そちらでやり取りする方がふさわしいでしょう。ご近所の生産者の方の声も聞かせていただければ幸いです。そう簡単ではないからこそ、長年無能農政が続いているのでしょうが、どうも納得が行かないのです。
 リンク先を見ていただければ、わかりますが、本日18時より山本謙治さんの講演会があります。まだ席あれば行かれてみてはいかがですか?
 長くなりますが、補足しておきます。
 ガソリン並みとまでは言いませんが、この時代、品質に差がつけにくいデジタル化のせいでテレビさえ付加価値が下がってしまったのが、ビクター、パイオニアの苦境です。でかいチャンネル(ヤマダ電機etc.)相手には、結局価格勝負しかなかったわけで、店頭でも、いいわねえと消費者がつぶやいても、売れるのはほどほど品質/価格のそれ以外――厳しいですねえ。海外では、安いサムソンが圧倒的力を持っているだけに、先行き危ないでしょう。
 アメリカでは、テレビ、オーディオセットの高級ユニット販売(総額600-1500万円)が、高額所得者向けにそれなりの市場を持っています。生産者としてビクターがそこに食い込めれば倒産しないですむでしょうが……商売って大変です。

投稿: (管) | 2008年4月25日 (金) 10:03

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