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2007年10月 2日 (火)

文芸春秋雑感-1 友だち、トモダチ

 3/19マルチスライスCTでも書いたように、ここ数年の医療技術の進化には目を見張るものがある。医療ジャーナリスト吉原清児さんの『カリスマ医師10人治療革命報告』には、それらを駆使して治療に当たる名医が紹介されている。 

病気になれば誰でも、良医や名医にかかり、きちんと治してもらいたい。(中略)「名医」と呼ばれる一流の医師こそ門戸を広く開け、患者に対して親身になって応じてくれる。
 
 名医の条件、いや名医に限らない。名人の必要条件は、人の話をよく聞くことである場合が多い。たぶん、吉原さんの言う通り、親身になってくれるはず……なんだけどぉ(´ヘ`;) 
 生きるか死ぬかの瀬戸際には、確かに名医が望ましい。気持ちはわかるけど、名人には限りがある。すりきれさせてしまって――過労死、あるいは燃え尽きさせちゃもったいない。

一生のうちに「名医」と呼ばれる人のお世話になることが何回あるでしょうか
   鎌田諏訪中央病院名誉院長『かかりつけは名医より良医を

 
 知らないより知っていた方がいいことも多いが、紙面空白回避目的でしかなさそうな<恐怖病状>情報の洪水にさらされているシロウトとしては、すがる糸は、太いに越したことはない。医学は科学ではないなんて言われちゃうと尚更そう感じてしまうのだろう。

 救急車をタクシー代用にする困ったチャンも同じ感覚かもしれない。医療側から見て、あまりに基礎的知識の欠如に見えても、結果的にそうなってしまうだけであって、初めから確信犯だとは思えないし、思いたくない。
 まあ、そのレベルにもよるけどさ(´ヘ`;)
 
 日野原重明聖路加国際病院理事長の『百歳で現役「健康心得」10ヶ条』の趣旨も似たようなもの。

いま日本の医療現場には最先端の情報も、高度な技術を持った志の高いスタッフも、最新の医療機器も、潤沢な医薬品もあります。一番足りないのは時間なんです。

 芥川龍之介『蜘蛛の糸』は笑い事ではない。それがジャーナリスト奥野修司さんの『病院を壊すのは誰だ(ルポ医療崩壊)』(´ヘ`;)
 
「悪いのは、私たち? 何もしらない子羊を見捨てるの?」

 (本当は根性の悪いヒト族の癖に)子羊のふりをしているのが間違いなのだ。鎌田院長が親しくされている典型的xxx人間の永六輔さんの「いい患者になるための十箇条」の6番目に<おとなしい患者と思わせない>とある。
 1番目は<お医者さまと「さま」をつけない>だそうだ。
 つまり、医師と患者ではなく、お互い人間同士、社会人同士としてつきあえる関係を作れってことだろう。一人しか相手(医師)がいないなら、そっと大切に飾り物のように扱わなけりゃいけないかもしれないが、夫婦関係や友だち関係同様、一度ケンカ(激情爆発)するくらいじゃないと人間関係なんてできやしない。

 中原英臣著『医者に遠慮する患者は長生きできない』も同じことを言っていたが、いかに医療技術が進歩しようと、早期発見に勝るものはない。
 そして、それはそもそも本人に検査しようとする意思がなければ、不可能なのである。

 自覚症状でわかった時には、末期的状況の場合が多い。
 合併症などの応急処置なら素晴らしい対応ができても、いかなる名医であろうと、突然来院した患者のその時点前後のデータだけで、総合的診断などできるはずがない。
 名医以上の神医だったら可能かな?
 いるもんか。いても当たらないのが、普通人の運勢。
 <長生きできている>ことの副作用とも言える生活習慣病。
 様々な検査指標から、自覚症状に至る以前に体調を判断するにはどうすればいいか?
 すべてのデータが、血糖値や血圧のように自己測定が可能になって、本人が先を見通せるなら簡単。最高のかかりつけ医が、自分であることに変わりはない。

 人体は、巨大な化学コンビナートだ。
 学者が研究すればするほど、その構造は複雑怪奇! それが少しずつ解明、深化し、ぼんやり見えつつあるから現在<知>を追う狩人たちは夢中!
 無茶苦茶おもしろい! ……患者当事者にとっては、つまりはまだまだ手探り状態ってこと。病状改善には、何の役に立たん……たまに大当たり! もあるけど。

 古来から続いてきた「あとは神様の御心のまま」で済ませられた時代が終わりつつある。それを懐かしむヤブ医者はいるのだろうか? その程度で済ませられる外傷的で単純な炎症への対応なら、ネットで知識を得られる時代なのに、医薬品取扱資格の名の下に金が取れる不勉強な開業医が存在を許されている。医師免許更新制度って必要だよなあ……。
 閑話休題。
 真面目で熱心な職業的内科医でもチョンボはありえる。
 情報量が多すぎて、およそ一人では、手が(頭が)回らないのだ。患者本人=名医はもともと成立しないし、いくら勉強したってもはや良医になることも難しい。自分自身並みに親身になってくれる存在、それこそ友であって、それが自分自身同様に体調を見通せる医療専門家だったら、これほど安心できることはない。
 ……金を出しても、友情は買えないよ(´ヘ`;)
 
 (若い看護婦さんはいつでも歓迎なんだけど)世の中のビジネスマン同様、あたしも元気がとりえで、病院なんてまったく縁がなかった。だって、いつ行っても病人しかいないんだもん。
 ……なわけで、遅ればせながら大事にしてるんですよH先生! その割りに態度がでかい? 出入り禁止?
 いや、ぼちぼち定期健診よろしく。ヘモグロビンA1c高そうですけど、言い訳は用意できています(´ヘ`;)
 閑話休題。
 不勉強な時代遅れの医師に当たったらお手上げ(´ヘ`;) それを見極める目を養うのも大変(´ヘ`;) とりあえず医師にかかるために、鎌田院長が紹介している10箇条。 

<あなたが”いのちの主人公・体の責任者>

 byささえあい医療人権センター
 
1-伝えたいことはメモして準備
2-対話の始まりはあいさつから
3-よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4-自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5-これからの見通しを聞きましょう
6-その後の変化を伝える努力を
7-大事なことはメモを取って確認
8-納得できないときは何度でも質問を
9-医療にも不確実なことや限界がある
10-治療方法を決めるのはあなたです 

 これって、人間関係すべてに共通(´ヘ`;)
 そして<言うは易く行なうは難し>の典型。いつになっても進歩しないのがヒトで、あとで悔やむから<後悔>なんだよなあ。

 P.S.医療ジャーナリスト吉原さんの記事中、8番目のメタボリック<どんな肥満も治す名医>が、なぜかヒットラー的精神指導だってのが……まことにまことに非科学的で空しい。しょうがねえなあ(´ヘ`;)

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コメント

 こんにちは。
 書類、一日5分処理すれば・・分ってるけど溜まっちゃうんですよね。中性脂肪・・分ってても溜めちゃうんですよね。銭・・分ってても全然貯まりませんね。
 他の病気もそうでしょうけれど糖尿病の場合は特に名医より良医が望まれると思います。主治医が良医でおまけに名医であればそれに越した事はありませんが糖尿病の場合はいかに名医であっても患者自身の病気に対する理解と意識なくして良い治療結果を得ることは不可能ですから高度な実績よりも患者に正しい知識とやる気と安心を提供できるようなそんな医療が望ましいと思います。

>最初の医師はインスリン分泌量を測定しなかったということでしょうか?

 いえ、測定はOGTTと同時にしたのですが自前インスリンの少なさが今ほどではなかったからだと思います。事実それから大した努力もなしにa1c が一旦急激に正常化しましたので回復したと思われたのかも知れません。私は2型ですがこれは明らかに寛解期、ハネムーン期だったと思います。

 転院した時に今の主治医にそのことを話すと「あぁ・・その時にインスリンを少し使いたかったですねぇ・・」と残念そうに言われました。ハネムーンの帰りはファーストクラスにすべきところをSU剤増量号で荒波にのまれてしまったようです。覆水ぼんに帰ら・・・

P.S.杉本先生の新しいサイトにもお邪魔しています。

投稿: そんなヒロシ | 2007年10月 3日 (水) 12:14

 そんなヒロシさん、どうも遅レスすいません。こういう時に限って、仕事が来ちゃったりするんですよね。工事、間多し(´ヘ`;)
 レスは、前回の続きの方につけます。
 

投稿: (管) | 2007年10月 3日 (水) 13:09

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