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2007年7月 7日 (土)

カーボカウントへの道……

 朝日新聞生活面で連載されている<患者を生きる>は、読み応えがある。うん。朝日、エライ! 
 糖尿病については、335回目からスタート。
 先月までは、深刻ではあるが、発病しない限り関係ないから、どちらかといえば無視されがちな、IDDM(自己分泌のない1型糖尿病メイン)の方や、すでに合併症に至ってしまった患者さんの取材が中心だったけど、7/2付389回目から『予備軍』と題して、発病前――患者以前、不規則代謝楽勝以降――痩せた人もいるけど、いわゆる内臓脂肪過多/太目ウエスト――つまりは、デブが対象。こっちの方が圧倒的に多いのだ!
 権敬淑記者の成長も、私的には興味津々。もっとも東京本社科学部次長を務めた編集委員の田辺さんが、カーボカウントを知らないくらいだから無理かしら? 境界型なんて言っているのは日本だけで、立派な糖耐能異常であり、老齢化すればヒトという生き物のほとんどがそうなるってことにもまだ触れていないし……。

 開催された糖尿病教室での質疑応答。食べた弁当に注意すべき点は? そう問われた予備軍は「脂もの」と答え……ちゃうんだよなあ、やっぱ。

カロリーが多いので油脂を控えるのは大切。でも、炭水化物の量にも注意してほしいんです

 おお!? 京都医療センター研究員 佐野管理栄養士の指導が珍しい。日本のマスコミで書かれたのは、これが初めてじゃないか?
 佐野さんはCDE(糖尿病療養指導士)間で名高い天理よろづ相談所病院の森川さんのお仲間?
 全文引用は著作権に引っかかるし、ネットにアップされていないので、リンクもできない。おかげでエントリー不能だったけど、ようやく発見。囲い込んでたんだね――ちょっとせこい気もするけど、しょうがない。
 ネットのasahi.comからアスパラクラブに入会登録して、LOG IN。
 →読み物→患者を生きるで、読めます。
 掲載後2週間程度過ぎてからアップされるので、7/16以降のアクセスで読めるでしょう。どうして遅れるのかは、理解不能。

 炭水化物はたんぱく質や脂質に比べて食後の血糖値を急速に上げます。その分、インスリンもたくさん必要で、膵(すい)臓も盛んに働きます
 徳島県美馬市木屋平地区は、診療所の医師や保健師らが中心となって地域ぐるみの予防策に取り組んできたのだそうだ。

 そこへ糖尿病死亡率全国一! 達成で、2005年に糖尿病緊急事態宣言を県が発令。
 糖尿病教室で、実地体験。
 空腹時血糖値自己測定→弁当→講義→食後2時間値測定。
 す、す、すばらしい! 
 予備軍全員が、体験できればいいのに! 

 ……感動はしたけれど、裏づけ調査でちょっと失望(´ヘ`;)
 メタボリックシンドローム外来まである京都医療センターは、1988年に「糖尿病の教育と治療」のための WHO (世界保健機構)糖尿病協力センターに指定され、日本における糖尿病を含む内分泌・代謝性疾患の国立医療におけるいわばセンター的な施設なのだそうだ。
 実際に診察、栄養指導されてみないとわからないことだけど、カーボカウントメインの匂いはまだ感じられない。

適正な食事療法の実施は、2型糖尿病においては、対症療法というより原因療法といえる

07070701 どうしようもなければ薬物対応だけど、それが基本。そう言い切る日本糖尿病学会編『糖尿病食事療法指導の手引き第2版2005』は、(現在の交換表をベースに、炭水化物を計算しやすくするような工夫ができないであろうかp87)とアメリカのカーボカウントも踏まえた医療側向け食品交換表指導用アンチョコ。
 (臨床栄養研究を行うには多くの困難が伴う(中略)だからといって根拠のない食事指導をするわけにはいかないp80)とぼやき、食後の過血糖防止の参考になると価値を認めつつ(脂質を加えるとGI(グリセミックインデックス)が低くなるが、長期的には耐糖能を悪化させる場合も考えられるp26)と悩んでいる。
 指導者の指導書が<考えられる>じゃ、栄養士さんのセリフが脂(アブラ)に注意よ! から変われないのもしょうがないかも。
07070702
 京都医療センターの予防医学研究室のトップは、患者をサポートするチーム医療に関するあれやこれやの記事の中心にいる坂根直樹さん。
 学生時代は、糖尿病なんて医師としての特別な診断能力不要、栄養指導は管理栄養士に依頼で終わりと思っていたら、糖尿病治療は奥が深いことに、実際の臨床現場で気がついた。

07070703_1 そう語る坂根さんを私は信頼しているのだが、はて、今現在、どこまで治療現場に関われているのだろう。
 きちんとしたエビデンスがまだない以上、一般開業医、栄養士全員を教化するほど明確なコメントは、どちらにしても無理か? 
 カロリー信仰を打破するのはまだ当分困難?

 説得、指導? 余計な/無駄な努力に金(予算)を使うより、予備軍には体験させるのが手っ取り早い。
 人脈があるのか、美馬市木屋平地区は従来から調査研究の場だったらしい。その上に、今年の春より、糖尿病の危険性が高い人を対象に電話やメールで予防指導の効果を調べる「2型糖尿病発症予防のための介入試験」が始まったので、予算がついたのかな。
 こうした実際の代謝実験――食事して血糖値測定、運動して測定――を日常化すべきだろう。
 まだ費用が膨大すぎるから基準にはできないのだろうけど、内臓脂肪CTスキャン結果の代用品として、ウエストサイズ基準は使える。ことばにもともと話題性(ダイエットで)があったから、それが基準になってメタボ(メタボリックシンドローム)も流行語になっている。
 一定サイズ以上を、強制参加させる手は有効だろう。
 問題がなかった場合は無駄金に見えても、合併症発病による医療費増大より、結果的に安上がりになるはずだ。代謝は突発的事故と違って、毎日の現象だ。それを上から全員の面倒を見ようなんて考えるから高くつく。
 本人に自覚させて、自分で管理させる方が絶対安い。

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