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2006年6月25日 (日)

生活習慣改善へのまったく違う場所からの第一歩

 土曜日6/24の朝日新聞別刷り<be>フロントランナー。
 今回はカリスマ副社長(?)志村法美さんをクローズアップ
 ABC Cooking Studio(本社・東京都千代田区)は、全国17万人以上の生徒を抱え、その7割が20代の独身女性。女性専用の料理教室を全国展開し、現在各地に79ヶ所もあるそうだ。
 集客力に注目して、あちこちから出店要請殺到中。
 (若い娘が集まる街は、繁盛するのだ)

■6/30追記
 どんなものか覗いて見た。
0606abc
 オフィスビルの地下街。
 ネクタイ族のおじさんたちは、気になるだろうなあ。
 生徒たちの楽しそうな笑顔と、ミーティング中なのか若いスタッフの真剣なまなざし。……象徴的だ。
 小規模なら、サークル活動は成立するだろうが、17万人も集めるとなると、スタッフの質を維持するのが大変だろう。やっぱり<カリスマ>と言われるだけある人なのかもね。

 大当たりした理由は、押しつけられた家事ではなく、ファッションとしての料理を教えるかららしい。独身でヒマで金(可処分所得)があるから、マナブ君大好きだし、悩むほど頭を使う必要のないように見えるから?
 金(交換価値が成立する)が流れ出せば、どんなかたちであろうとビジネス。利益は、それを管理するところに落ちる。
 老人と病人しかいない内科外来にも、こんな若い空気があれば明るくなる。
 糖尿病外来に、ダイエットスタジオを!
 それが、私の夢のひとつ。お堅い栄養士さんや看護士さん、太り気味の医師も巻き込んで、楽しく体を動かす!
 (運動しよう! なんて言わないぜ。豚を引っぱったって、動くもんか。群れが動けば、勝手に走り出す!)

 「ママに教わるより楽しい」(中略)母から娘への「家庭の味」の伝承ルートが途絶えつつある。
  これは糖尿病診療マスター2005NO.3『食育から食事療法2005』でもつぶやかれた言葉だ。お母さんたちは何をやっているの? 
 志村 そのうち元来の料理好きや上達の早い人も出てきました。(中略)教室の運営全般を任せました。すると、それまでお茶くみとコピー取りに専念していたOLが、一生懸命に生き生きと働く。「食」という関心あるテーマを仕事にし、輝き始めたのが印象的でした。
 日本って国は、本当に平和だ(´ヘ`;) ある意味では、すっごく無駄である。国としての生産性の低さを思うと情けない。しかし、これは第一歩だろう。
 志村 そうですね。ある時、「先進国の女性たちは20代以降も勉強し、その後もキャリアを磨き続ける」という内容の記事を読みました。カルチャーショックでした。銀行に勤める友人は多額のボーナスを手に「○歳で結婚して、子どもは○人」という話ばかり。バブルの繁栄は長く続かないはずで、女性の自立には、十分に力を発揮できる場が必要だと思いました。
 子供を作って育てる過程で、お母さんたちが何もしていないと言うつもりはない。両親、世間の目におびえつつ、子供をなだめすかし、逆に突き上げられてしまったり、むしろ勉強しすぎている可能性もある。うんざりして、海物語(パチンコ)に逃げ込む人がいても不思議はない。方向性の見えない勉強ほど、疲れるものはない。
 志村 (中略)女性特有の「甘え」もあるでしょう。何かあればすぐ「辞める」と言い出せば、一般企業は大きな仕事を任せられない。
 子育ては、零細企業のビジネス。文字通り、家族企業。目に見える失敗――倒産がないのも問題点。そして子供は、親を選べない。

 4~12歳が対象の「abc kids」への投資は興味深い。ビジネスチャンスってのは、壁を越えると次々に広がるものなんだよなあ。この活動が、昔の大家族環境の教育の代役になるとおもしろい。
 食育は<しつけ>につながる可能性がある。
 20年後、ここで育った子供たちが親となったとき……気の長い話。

 志村 食育に力を注ぐために全国展開を急ぎます。子供には早い段階から食への関心をもたせたい。好き嫌いなく食べる子は何にでも挑戦するように成長します。

 かっこいい! 

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コメント

 料理がファッションねぇ。独身の頃はそうかもね。
 私も、「結婚したらイヤでもしなくちゃいけないんだから、今のうちにラクさせて」なんて言って、母に甘えていました。
 料理教室も通ったことないけど、材料調達から後片付けまでちゃんと教えるんですかね。コスト感覚とかも必要だし。
 必要に迫られないとやらないのは何事も同じで、「母はどうやってたっけ?」と思い出したり頼ったりするのが、「料理教室ではどうやってたっけ?」となるんでしょうかね、「ママに教わるより楽しい」なんていうコは。
 楽しいだけじゃないのよ~料理は。


投稿: kaorim | 2006年6月29日 (木) 12:41

kaorim様、こんばんは。
 ううう~~~ん、趣旨が違う。記事を要約しなかった私が悪い。

 デパ地下にコンビニ。外食以上に中食文化が広まっています。それ以前に、料理とは呼べない、スナック類での食事……。
 その結果、初等教育現場では、信じられないような荒野(食習慣)が広がっているようです。専門誌での栄養士さんの報告もそうですが、最近話題の朝の給食(!)も根は同じことでしょう。
 事実関係の裏付けはしてません。全国的にそうなのかもわかりません。当然、まともな母親もいるでしょう。
 でも、ありそうな話です(´ヘ`;) 
 健全なベテラン主婦であるkaorimさん――というより50歳代の我々とは、かなり違う風景があるようです。男子が台所に立つと「それはいや」と追い出す女子が、我々の世代にはいました。料理は女の仕事――お嬢さんはそんな風に思ったりしますかしら? 
 ABCスタジオのコース紹介を見るとそれなりの知識を<仲間感覚>で教える設定にはなっています。でも朝日の記事では明確に書いていませんが、たぶん<難しいことは抜き!>が第一じゃないのかな? 
 食器用洗剤で米をとぐ。ジャガイモの皮をむかせると飴玉サイズになる。そんな娘たちに、過剰な負担をさせると逃げ出すのでは? 
 ファッションでも、ママゴトでも、とりあえず台所に立つ習慣をつけるところから始めないといけない。それが第一歩という意味です。
 アメリカの給食は、ジャンクフードに、自動販売機のペットボトル。それがインスリン欠乏じゃない小児糖尿病――つまりは、デブのオトナ同様の2型糖尿病の大量生産となってしまった経緯があります。さすがに今は改善されたようですが、グレシャムの法則通り<悪貨は良貨を駆逐する>で、日本でもカーボ過剰デブの子供がふえつつあります。それを防ぐために、母親予備軍の若い娘と当事者である子供たちに、食への関心を持たせたい! それが志村さんの意思と見たので、感動したのです。
 

投稿: (管) | 2006年6月30日 (金) 02:53

 私、ボストンに来る前はABCの生徒でした。
 内容としては、一番だし、二番だしのとり方といった基本をやるときもあったし(A)、ちょっと凝った料理(B)や市販のレトルトや冷凍食品を上手に使って手軽に作るとき(C)もありました。
 それを同世代の先生が手際よく教えてくれました。
 結婚後も仕事を続けるなど家事をこなしていくには時間的制約のある現代の女性にとっては、昔ながらの、手間ひまかけた料理を愛するダンナサマのために・・・といったような花嫁修業的な料理教室はそぐいません。そこに着目したのがABCの成功の秘密なのではないかと思います。

投稿: すずらん | 2006年6月30日 (金) 11:32

>母親予備軍の若い娘と当事者である子供たちに、
>食への関心を持たせたい! 

 ファッションだろうが自己満足だろうが、まずは関心がなければ始まらないもの。それはわかりますよ。
 その先です。それを時間的金銭的制約などのある実生活の中で習慣(むしろ義務)とし、365日の料理作りが家族の健康に直結するものだと意識したならば、それは楽しいだけじゃ済みません。ファッション感覚でそこまでたどり着けるでしょうか?

「ママに教わるより楽しい」にカチンと来たのもあります。ま、何であれ肉親に教え教わることほど双方謙虚になれずに難しいことはありませんから、わからないでもないですが。

 本来なら家庭で担う部分を、家庭が機能してないと見た志村さんはそれをビジネスとしてやったら成功した。
 生徒の中から講師を採用して任せたところがミソで、この記事が言いたかった部分はむしろこっちじゃないかと。


投稿: kaorim | 2006年6月30日 (金) 22:20

すずらん様
 メンドーサ(?)さんのサイト紹介ありがとうございました。バーンスタインさんとは友人関係みたいなので裏づけにはなりませんが、こっちの方がわかりやすかったので、アークレイにたどり着けました。
 忘れ去られるのが、過去の宿命というものでしょうが、いくら感謝しても足りないものがあるように思います。
 ネットはやっぱり便利ですね。ABCの卒業生とは思いませんでした。外から見ている限りでは、いかにも楽しそうでした。使わない英会話教室より、費用対効果は大きそうです。

kaorim様
 若いスタッフを採用するのは、女性の社会参加を促す意味もあるでしょうし、ユーザーの親近感をさそう狙いもあるし、ビジネスのコストメリットもあります。このビジネスはいろんな意味が含まれていてとても興味深いです。しかしとても扱いきれません。またこのブログのテーマでもありませんので、これ以上深入りはしません。
 運動会の当日「これ渡してください」と、お母さんが先生に預けるのが、手弁当ではなく、近所のコンビニで買ってきたお弁当!
 それでガマンしなきゃいけない子供がいる時代なのです。どこまで広がっているのか裏づけはありませんが、当然その家庭に、対話などないでしょう。
 テレビの登場以降、画面を前にそれぞれが孤立して暮らしている! 
 これも大きすぎるテーマです。
 厚生労働省の指導が足りない/文部科学省の教育が悪い。いやいやそれ以前に国を代表する人々の姿勢が歪んでいる。この辺が『国家の品格』などにつながって、単純な解決策などあるわけがないから、百家争鳴状態。
 ……とりあえず、第一歩から一つずつ。そんな気持ちから書いたエントリーです。

投稿: (管) | 2006年7月 2日 (日) 02:21

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