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2006年5月 5日 (金)

カーボカウントの先駆者?

 当たり前のように「血糖値はカーボに左右される!」なんて言っているが、最初に言い出したのは誰なんだろう? 二宮陸雄/高崎千穂著『糖尿病とたたかう』は良質の解説書だがその点には触れていない。
 適度な糖質とインスリンのバランス。それがβ細胞復活への道であり、カーボの全面的禁止を含んだ断食療法は、笑止どころか危険極まりない。そもそも蛋白質だけ食べても、糖質は<糖新生>によって体内で作られる。
06032100
 この本を読むと、Dr.バーンスタインこそ、その人のように思える。
 血糖自己管理――食事摂取量から、血糖値を予測するワザ。少なくともその開発者ではあるようだ。
 彼が、信念の人だからである。
 ――そりゃそうだ。
 ほとんど合併症発病寸前まで追い込まれ、指導医師には、うらみ骨髄!
 せっかく発見し、体調向上に有意である血糖管理の価値を、誰からも否定される孤独な日々――そうならざるを得ない。必要は発明の母! 
 専門家たちに、積極的悪意があったとは思わない。エビデンスがない以上、未踏の道を勧めるのは、助言ではなく暴言となりかねない。

 Dr.バーンスタイン略歴(本書情報から作成 正確性不明)
 1934 誕生
 1946 12歳 IDDM診断
 1969 35歳 医療検査機器研究部長から家庭用品
         関連へ転職。この頃、血糖測定の価値を発見
 1977 43歳 血糖管理を広めるために、医師を目指す
 1980――医療機器会社 血糖自己測定器発売開始
 1983 49歳 クリニック開業
 1997 63歳 本書初版発行
 2003 69歳 改訂版(本書)発行

 理解不能なのは、この本が出版された時には、エビデンスもでて食事療法がカーボ主体に変っていたと思われることだ。食品にフードラベルの表示義務がつき、カーボ量がすぐわかるシステムとなって、血糖管理が劇的に変化したはずなのに……。
 P98で、誤差±20%が許されているのが、お気に召さない旨の記述があるから、知らないわけじゃないのだろうが……。
 たしかに1970年前後、彼が苦闘していた時代はアメリカもカロリー管理主体の脂質制限が主流だったようだ。そこから、言葉足らずと勘違いで変に一歩前へ進んだ結果が、肥満者増加一途となってしまったあの悪名高きフードピラミッド。分泌ゼロで、むしろインスリンの弊害を怖れる彼にとっては、発狂したような基準であり、P119で徹底的に攻撃している。
 ちなみに、その栄養成分比は、日本の糖尿病食事療法基準同様のカーボ60%前後。日本古来の自然食に由来するマクロビオテックのようなハイカーボではない。参照
 それも、去年1月発表のUSDA新構想で全面変更となっている。
 ホームページには、あのピラミッドをひっくり返すアニメーション! もある。
 遅ればせながら、私も12/30付低脂肪スナックは砂糖より凶悪で、記事にした。
 おまけに脂質優先の地中海ダイエットも、ADAの正式選択肢に入っている。河合雅幸さんの下記記事によれば、2002年に正式採用されているはずだ。
 

食事療法の新ガイドラインで『地中海型の食事』が推薦されました(直リンク不可なので、糖尿病ソリューションから探してください)

 何をそんなに怒っているんだろう? 

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