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2005年7月19日 (火)

食事管理の単純化

 手作りケーキは美味しいんだが、データがないので、怖くて食べられない。データ表示がある安物の市販洋菓子類と比べて、とにかくいろいろ混ぜ込んである。それぞれの材料が微妙な食感、味覚につながっているから――美味しいのだ。 
 1単位(80kcal)なんて材料の使い方はしない。だから食品交換表はまったく役に立たない。
0503carory
 洋菓子がないと世界が破滅する。
 そんなことはない。

 しかし、一度世界に色がついてしまうと、白黒の世界が耐えられなくなるように、一度味わった味覚を失うことは世界が終末を迎えたも同然だ。糖尿病診断を受けて、がっくりする理由のひとつであり、食事療法上、抵抗心理が生まれる原因でもあり、ひいては糖尿病治療の中断につながる。

 なんでも食べてかまわない。
 この指導が、ほとんど一般に広まっていないのはなぜか? 
 相変わらず「糖尿病は贅沢病」「甘いものを食べちゃダメ」
 新しい情報についていけない内科医や勉強不足の栄養士は論外なのでしょうがないが、どこかに根本的な間違いがあるように見える。

 30年以上昔の日本とは違う。
 自宅に浴室のない貧乏長屋時代の収入状態に、日本全体が戻ればあっという間に患者は減るだろう。
 現代のカロリー摂取レベルからすると、基礎代謝の落ちる40歳以上の全員が糖尿病予備軍なのだ。20歳代でもIT業界のようにパソコンの前から動かないような勤務形態では、十分可能性がある。摂取バランスを知らずに食べる生活習慣から、児童の2型糖尿病も増加しているようだ。

 霞ヶ関の冷房の効いたビルで、頭のいいキャリアたちは何を見ているのか? 今年度だけで約8億円を投入して、糖尿病の予防対策をするのだそうだ。
 30-64歳の4500人を対象に生活習慣指導方法比較。
 在宅治療中の患者1600人を対象に、治療中断を減らす方法を探る。定期的に看護師、栄養士を派遣したりするそうだ。
 たぶん、無駄。対話が成立すれば、それは中断じゃなく自立なのだが、また『説教と沈黙。忍耐と爆発』劇が演じられるのが目に見えるようだ。
 あるいは特別対策ということで、管理側が過労を起こすほど頑張り、いい数字がでてくるかもしれない。その数字に何らかの価値はあるだろうか?
 一人一人の患者を個別指導する? ――1000万人に? 
 今回は一人当たり税金負担は年間8円で済むが、どこまで使うつもりなのだろう? 

 『食事から食事療法2005』においての次の発言は重要だ。

それをきちんと正しく分析して、「こういうのは食べちゃいけない」というのではなく、「これを食べるときに気をつけなければいけないポイントは何なのか」を教えていかなくてはいけない。

 食品交換表には巻末に嗜好食品の単位について、簡易一覧が掲載されている。厚生省の食品分析表から持ってきたのだが、構成比率がない。主治医や管理栄養士の指導を受けて下さい=禁止という全面的<役に立つ気はありません>表現はある。表1と交換するしかないが、普通医師はいい顔をしないはずである。少しくらいなら許そうと思っていただけたとしても、今度は量が少ないから、単位数にうまく換算できないのも、指導困難な理由だろう。
 面倒だもん。
 病状管理者から見ればささいな問題でしかないが、患者側の事情は違う。
 世界を照らし出す希望の星を「ダメですよ」と簡単につぶされた……。その一点をテコにして、治療側の善意は空回りを始める。全力で押しても無駄である。受け入れる気がないのだから。
 さかえ4月号『食品交換表基礎からマスター』で、京都大学医学部付属病院 幣(しで)栄養管理室長は力説する。
近年欧米で用いられている糖尿病の食事療法に、「カーボハイドレイト・カウンティング」といった、炭水化物(糖質)の含有量に基づき、血糖値管理を行う栄養管理法が話題となっています。この考え方も、日本の『食品交換表』を使えば「表1」と「表2」から摂取される炭水化物の量を計算することにより(中略)このように、全ての「表」を常に活用するのではなく、必要となる「表」の部分使用でも、まったく問題はなく、『食品交換表』全てが理解できないと使えないと思われていた方は、ぜひ考え方を変えてみてください。

 話が逆である。
 食品交換表は、使える人には最高の武器だ。たぶんこれを考案した人は、まじめで熱心で頭のいい人なんだろう。善意に満ちみちており、完璧な健康を考えてくれている。しかし、職人の経験と勘に頼った日本の製造技術同様、意味がわからない人にとっては無用の長物でしかない。役に立たないならゴミだ。
 1965年発行当時は多少有効性があったのかもしれない。闇の大陸<食>の世界に光をあてたことは間違いなかろう。しかし電気製品の取扱説明書を、ろくに読まない人に通じるわけがない。まして栄養学は、ONOFFだけの世界ではないのだ。
 アメリカの食品成分表示は入門者にとっては有効であろう。加工食品に三大栄養素を必ず記載させている。日本以上に複雑な機械を使いこなせない人々を相手にしているから? いいや、誰にでも使いこなせる<標準化>とはそういうものだ。
 このままでは、太平洋戦争に負けたと同様に、diabetes戦争でもアメリカに負けるだろう。
 ミネラル不足での障害は、あとで考えればいいのだ。とりあえず血糖/体重管理が重要なはずで、幣室長の言う部分利用――表1/3/5だけ使うようなものだ。
 炭水化物管理だけでなく、無意味に忌避されている脂質の適量摂取にも役立つ。
 毎日複雑なジグソーパズル(交換単位計算に、だんなと子供の好みに、財布)に悩まされている奥様の息抜きにもなる。この辺、アメリカは、もっとシビアなんだろうな。「自分で選びな!」

blog_bana ちょいと長くなってしまいました。
 一休みしてクリックなど
 よろしくお願い致します。

 食事療法入門は――下手に料理なんか作るな
 この2年の経験からそう言い切ってしまう。
(糖尿病性腎症発病で蛋白制限、高血圧症で塩分制限のある方は、申し訳ありませんがまた別。食べられる加工食品がまた減ってしまっている。そうなる前に目覚めないと厄介になるってことです)
 40年前と違って、コンビニのテイクアウトも含めて、成分表示のある食品がだいぶ増加。それを買ってきて、食後血糖値を測定。翌朝の空腹時血糖値を測定。フィードバックを繰り返して、最適量を決定。60日間、それを継続すれば、ヘモグロビンA1Cが下がり、そして体重も減るはずだ。

 医師の指示単位量を三大栄養素に換算。それに空腹感を感じないぎりぎりの脂質量をプラスする。
 大幅に足せば――そりゃ体重は増えるぞ!
 
 旬の時期や部位によって成分量が大幅変動する材料を使って自宅で料理するより、工場で一括測定した成分比の方が確実だ。不明確な単位判定を自分でするより、数値が出ているから、間違いもごまかしもきかない。そうしているうちには、栄養素に関心が湧き食品交換表の意味が見えてくる。それから使えばいいのだ。

 非常識な価格の糖尿病食と比較すると、あまり種類は選べない。それでもOL向けの軽食レンジ商品なども各種ある。
 単位数の指示では、表3蛋白や表4牛乳に混じっていてよくわからない脂質を管理できるのが一番よい点。同時に摂取しないと腹持ちが悪く、取りすぎると体重増加につながる脂質を、なぜもっと具体的に管理しないのだろう?
 さかえ掲載の栄養士さんの文章を読むと毎度おなじみ「油に気をつけて」
 バランスの知識をもたず、世間に流布している常識に囚われている人は「やっぱり取らない方がいいのよね」と考えてしまうだろう。
 結果おなかを空かせて間食を取ってしまい、体重と後悔という名のストレスを貯める人は多いはず。
 厚生省研究班も進行状況をブログにでもすればいいのに。どんな折伏をするのか……目覚めない患者たちより、治療側の看護師、管理栄養士の方を私は心配する。
 達成感のない仕事って、やる気失くすのよね。

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