« 脳内すい移植 | トップページ | おすすめ人口甘味料 »

2005年6月 5日 (日)

噛まない方が血糖値は上がらない?

つい百年前まで、脚気(かっけ)は難病であった。大正時代には年2万人以上が死んだ記録がある。糖質を分解してエネルギーを取り出すために必要なビタミンB1不足が原因と判った現代では、嘘のような話である。徳川時代には<江戸わずらい>と称されるほど江戸だけの風土病のように言われていたらしい。これは大都会江戸で、白米の多食がハイソサエティの証明だった上に、当時は肉なんぞ食べなかったから。――なんだか糖尿病みたいな話。食習慣は生活習慣。
 貧乏人は麦を食え! 実はその方が身体にいい。
 とはいえ、オフィシャルに書くならもう少し気を使ってほしい。そうしないと私のような疑い深いしろうとにいちゃもんをつけられる。
gi350
表1の食品をクイズでマスター さかえ6月号より

 (糖質60g)240kcal? 実際の食事量の記載がないが、たぶん茶碗ちょびっとで150gなんだろう。他に一緒に何を食べたかの記載もない。穀粒状態100gでの食物繊維量が掲載されているが、これを糖質量に比例して換算すると2/3と思われるので玄米で2g、麦で6gかな。精白米は問題外。  

白米と玄米、血糖値の上昇しやすさは同じである。
ウソかホントか? →(答)ウソ
米は、精白する方法によって玄米・胚芽米・精白米(白米)に分けられます。違いは、表の通りです。玄米のほうが白米に比べビタミン・ミネラル・食物繊維は豊富でGI(グリセミック)指数が低く、血糖値のピークが低い善玉糖質と考えられています。
  
 根拠も断言してよね。考えられています程度で、どうしてウソ! と言い切るんだろう?  
「白米も玄米もおなかに入れば一緒だよ」
 教育入院時、大先生は言った。きちんとしたデータを示したわけではない。そんな必要もないほどの実績から積んだ権威があるから、信者患者たちはうなづくばかりだった。
 
 私には以下のようにしか、このデータを読めない。
 食後45分後の血糖値が同じ(誤差の範囲として)なのに60分値以降、白米は260前後で下がらない。玄米は急降下。ピークは確かに低い。しかし上昇カーブについては、どこに差があるのだろう? グリセミック指数と血糖値のピークは、違うデータであるはずだ。
 「消化吸収はあまりよくありませんので、しっかり噛んで食べることが必要です」と栄養士さんも書いているように、どうもこの被験者さんはよく噛んでなかった! 口にしたカロリー量は同じでも、実は玄米と麦御飯の消化吸収量が少なかったとしか思えない。
 言いかえると、しっかり噛んで食べたら、同じ高血糖になったんじゃないかと疑いたくなる。咀嚼するヒマがあったら歩いた方が良かろうし、あれ、必要カロリーの摂取ができてないってことじゃない。結果的には多すぎたわけでちょうど良かったのかもしれないが。
 薬の投与の有無について触れていないが、副食物があった疑いもある。たった240kcalでこの値なら、空腹時血糖値が少なすぎるのではないか? おまけに被験者のデータの記載がない。同じ患者さんが、同じ時間帯で、同じ生活強度で――この場合3日間に渡って採取したデータでなければなるまい。
 
 皮肉っぽくて、やなオヤジ(´ヘ`;)
  
 かわいい栄養士さんをいじめたいわけじゃない。
 同じ号で編集委員の先生が「エビデンスに基づく診療」について語っている。その上で「エビデンスを杓子定規に用いるのは考え物です。(中略)医療は昔から、サイエンスに基づくアートと言われています」そうだが、土台が狂っていては話にならない。
 印刷媒体はスペースが限られているから全部書けない。しかしインターネット時代に、その言い訳は通用しない。
 食習慣のやり取りは、ただでさえ押し問答が多い。合併症の恐怖を患者が感じていれば強制的指導も通じる。しかし理解がなければ、逃亡するのは時間の問題だ。
 患者というものは、おとなしくしていても最終決定権者(金を出す人)である。ちょっとした疑問でも解消できなかったら、金を出さない。説明してもわかろうとしない患者の群れを相手にしていると、収容所の看守気分になるんだろうか。
 
 ちなみにあてにならないGI指数の一部データ
100% ブドウ糖
 80% マッシュポテト/蜂蜜
 70% 白米/パン
 60% 玄米/バナナ
 50% そば/スパゲッティ/ショ糖(砂糖)
 40% 非精製小麦粉のスパゲッティ
 30% リンゴ/牛乳/アイスクリーム
 20% レンズ豆
 10% 大豆
 ――Diabetes Care 1982/5/P634-641
 玄米とバナナが同じで、アイスクリームの方が血糖上昇が低い!? 玄米より砂糖の方が低い! 
 
 手近に参照できる研究結果はショ糖(砂糖類)が以前に信じられていたほど血糖コントロールにとって悪いものではないというこを示している。(中略)疑問をもつということは発見の第一歩……。
 『ジョスリン糖尿病学第13版』P422食事療法より
 
 だったら明日から……困ったものだ。
 食物繊維の役割をどうとらえるかが議論の焦点らしいが、脂肪など食品の組み合わせでも変動するようだ。意味があるのか、結論はまだまだでそうにない。
 こちらも参考にどうぞ。患者さんのための根拠に基づいた糖尿病の話
 いずれにしても詳細な管理データがあまりない。血糖測定に費用がかかるなら安くする方法を考えればいい。その結果で管理する今の手法は実用的だが、原因である摂取カロリーと代謝のデータがなくては、発病機序も見えにくいし治療上も問題じゃないのか?
 そういうわけでレポートを作っているんだけどさ(´ヘ`;)
 5月のデータはこちらでどうぞ。
cat_back くどくどと、うっとおしいなどど
 おっしゃらないで下さいませ(´ヘ`;)
「私だって寝てないんだ!」
↑応援クリックよろしくお願い致します。

|

« 脳内すい移植 | トップページ | おすすめ人口甘味料 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/95944/4419820

この記事へのトラックバック一覧です: 噛まない方が血糖値は上がらない?:

« 脳内すい移植 | トップページ | おすすめ人口甘味料 »